ジオパークが急激に広がった5つの理由(2/2)
昨日のブログの続きです。東北環境教育フォーラムで登壇した時に頂いた質問で、ジオパークが急激に広がった理由を教えてほしいということに対する答えです。
ちなみに私は5つ理由があると思っていて、
◆「地域のあるもの探し」をしやすいツールであること
◆ジオパークにすることで自治体の予算が確保しやすい
◆ジオパークが防災にも役立つ
と3つを昨日お話しました。その続きをこれからお話します。
地域横断的な活動がジオパークというくくりでできるようになった
山陰海岸ジオパークは京都府京丹後市から兵庫県豊岡市、香美町、新温泉町、鳥取県岩美町、鳥取市という、今までにない枠組みで活動をしています。鳥取県は鉄道や高速道路が発達し京阪神からの観光客が多いにも関わらず、TV放送は中国地方の枠組みになり、近畿では殆ど放送されません。京丹後市や兵庫県北部へ旅行に来られた方がそのままついでに鳥取市へ行くという導線がいままでできなかったのですが、ジオパークという活動をすることで、一つのエリアとして周遊ルートとして売り出すことができるようになりました。
地方が違う場合に特にこれは有効です。行政の境界線は訪れる人たちには何の関係もありません。むしろ、その境界線が再度訪れてもらうための折角のアピールチャンスを分断してしまっていることもあったのです。
ジオパークには4年に一度の再審査という見直しがある
ジオパークには世界遺産や国立公園には無い「定期審査」があります。その結果、前回指摘事項が解決されていない、あるいは悪くなった場合にはイエローカードで2年以内に改善する、あるいはレッドカードで脱退という厳しいルールがあります。自治体の計画は三ヶ年、五ヶ年、十ヶ年計画を作ります。そのやり方とほぼ同じですし、目指すところも「持続可能な地域づくり」「観光(ジオパーク)に来るお客様の環境整備」ですから、計画も立てやすいですし、モチベーションを保つことができます。
世界遺産は、なった年が観光客が最も多く、そこからほとんどは下落していき、モチベーションを保つことも難しいのです。その点、自治体も住民もレベルの維持向上を目指すこの仕組みが、日本人には適しているものと思います。
***********
最後に、このフォーラムに参加されていた、ジオパークという言葉に接するのが初めてという、東京にお住いの高野さんから、とても素晴らしい感想を頂きましたので、ここに転載させて頂きます。
ジオパークと言うと、何か難しい印象がありますが、僕なりに解釈すると、地元の自然とそれに深く繋がっている地元の暮らしの値打ちをみんなで一緒に楽しんで伝え、大事にしていくことだと思います。日本各地で高齢化や過疎化が進んでおり、地域経済の衰退が叫ばれていますが、このジオパークという考え方はひとつの起爆剤になるんじゃないかな?と思いました。勿論、東北の被災地でも復興するためのヒントになると思います!ネガティブな事を考えていても何も解決しないと思います‼
それよりも、地域の足元にある”宝物”をうまく利用して、多くの方々に地域のファンになってもらいジオパークを生かして持続可能な地域を作っていければ良いなあと思います。現に自分自身も今回のフォーラムを通じて、この八峰町を通過するための町から、目的の町へと意識の変化がありました。と同時にもっともっといろいろな町の自然や文化を知りたいなあと感じた今回のミーティングでもありました。(東京都 高野様)
ジオパークに初めて訪れた方がこのようにジオパークを理解して、そして今までは通過点だった地域が、魅力ある地域に生まれ変わる瞬間に立ち合えたことがとてもうれしかったです。他の参加者の中にも、このように「いろんな魅力がある場所だということを、今回のフォーラムに参加したから分かることができた!」と仰る方が居られました。新たな魅力を見つける素晴らしいメガネをジオパークが皆さんに与えたんですね。
ジオパークの推進協議会の皆様
中小企業、個人事業主を含む
ジオパークの民間事業者支援は
ミラサポで今井ひろこを活用!
今年度、国の支援制度で、年3回まで
指導料は一切不要。今がチャンス!
詳しくは私のこちらのブログを参照ください!


今井 ひろこ


最新記事 by 今井 ひろこ (全て見る)
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(5/n) 選ばれるだけの理由が無ければ売れない - 2019年1月17日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(4/n) 着地型観光で選ばれる商品とは? - 2019年1月15日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る - 2019年1月14日
関連記事
-
-
実績紹介 〜宿泊施設サポート〜
当事務所を立ち上げてから丸4年の間、民宿、旅館など小規模宿泊施設に対する定期顧問 …
-
-
今年、日本ジオパークに3地域が認定!
2014年に日本ジオパーク加盟を目指す6地域(立山黒部、南紀熊野、天草、苗場山麓 …
-
-
2014年の今井ひろこブログでの検索ワード
いよいよ、平成26年も今日でおわり。実感がまだ沸かない私です。さて、私のブログは …
-
-
目の前の出来事にとらわれず、ゴールだけを見る。
昨日、主人が経営するダイビング屋さんの手伝いで体験ダイビング(インストラクターと …
-
-
ジオパークフィールドノート、兵庫県を代表し全国大会へ出場決定!
今日は地元の教諭チームと一緒に、西脇市立西脇南中学校で開催された、兵庫県の教職員 …
-
-
「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・南紀熊野ジオパーク<下>
先月1月31日(土)、日本海新聞朝刊・但馬欄に、連載コラム「日本のジオパークへ行 …
-
-
ジオパークのポスター発表2本もしちゃった!
無謀にも「二つ出したいです!」と募集当時の余裕と勢いに乗って言ってしまったら、ま …
-
-
日本に”世界ジオパーク”続々誕生~NHKラジオ番組を聞いて(2)
10月12日に放送されたNHKラジオ第1放送「私も一言!夕方ニュース」の中ので「 …
-
-
ジオパークを直接的に使おうとしてもうまくいかない
「今井さんが指導されている事業者さんは、どんなジオパーク商品を開発されているので …
-
-
10/18(火)新温泉町商工会で地域資源活用セミナーを開催!
昨日、新温泉町商工会湯村支所で地域資源活用セミナーをしてきました♪ 今日のブログ …