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ジオパークが急激に広がった5つの理由(1/2)

   

先週登壇した東北環境教育フォーラムでは、90分のお時間を頂戴して、「ジオパークでの地域づくり」を中心としてお話いたしました。その際、90分フルで話をしましたので、質問は紙に書いて頂いてそれを読み上げてお答えする「リクエスト葉書方式(と私は勝手に呼んでいる)」で、パネルディスカッションの中で対応させて頂きました。

東北環境教育フォーラム
頂いたご質問の数々。

ご質問はいずれも「いい質問」ばかり。現場でもお話をしたのですが、改めてここでお話をしたいと思います。まず、そのうちの一つ。

持続可能な地域づくりについての試みはこれまでもいろいろとあったと思いますが、なぜジオパークは急激に広がったのですか?

私の考える理由は5つあります。

「地域のあるもの探し」をしやすいツールであること

ジオパークは地域のあるもの探しからスタートします。その視点が今までは埋もれていた大地・地形など足元の土の中から見てみようということです。それと人々の暮らしとリンクさせて考えるという、人々に分りやすい視点であったことです。専門的な岩石の話などは住民は敬遠しますが、今の地形と暮らしがリンクしている棚田や高原野菜栽培、深さ1000mからのカニ漁などは分りやすいのです。地形が美味しさを生み出しているという香美町の二十世紀梨は、他の生産地と作り方が異なる点があるため差別化が図れ、さらに生産にいたるまでの歴史がストーリーとして語れ、それらが付加価値を生み出しました。まさに「ジオパーク」でできるようになったのです。

ジオパークにすることで自治体の予算が確保しやすい

ジオパークになると看板整備やガイド養成、その他地元への説明会や学習会をしなければなりません。実はジオパークは観光だけではありません。福祉分野、教育分野、農林水産、防災などいろんな政策を自治体内の各課横断型で行う必要があります。普通なら各課でバラバラにしんせいするところを、ジオパークというひとくくりで申請や実施をすることができれば、スムーズな運用が図れます。

自治体によっては「ジオパーク推進室」を置いて予算を組み、ジオパーク推進に取り組んでいるところがあります。単独自治体で行っているジオパークの場合は、各課でバラバラになりがちなジオパーク予算がひとつの課にすることでとても組みやすくなったという話を伺います。

ジオパークが防災にも役立つ

防災教育は土木課か教育委員会が担ってきた感がありますが、大きな災害が無いと地域防災教育が進みませんでした。しかし、ジオパークになって、防災の専門家や地質の専門家が多数入って、各地区で「大地の癖のある場所」についての学習会などをジオパークとして開催することができるようになり、住民も気軽に先生に相談できる機会がジオパークで得られるようになりました。そして防災に関する意識も増してきたと私は思います。

 

書いているとどんどん長くなってきてしまうので、後半の残り2つは明日のブログで。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, ジオパークとは?, ジオパーク講演会

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