白神山地の本質は種の多様性<上>
あきた白神の食を巡る旅の後半は、腹ごなしのように、白神山地を歩きました。白神山地は秋田県と青森県の県境にあり、秋田県側・八峰(はっぽう)町の白神山地の散策路は標高1200mの二ツ森という山へ行くコースと、私が参加した標高180~200m付近にある留山(とめやま)散策路と2つあるようです。留山はガイドの同行が条件になっています。
「観光化しない」だけが削られて、各方面の調整の難しさがわかります。
白神山地の南側にあたる留山散策路は今年の春に散策用の木道が整備され、とても歩きやすく、通常だと1時間半のコースのようです。今回は、あきた白神体験センターの車で散策路入口まで向い、そこから八峰町認定白神ガイドとともに散策路を歩きました。
但馬の森では標高900mほどのところでないと見ることのできないブナですが、ここではいとも簡単に見ることができます。ブナは寒い所を好む植物なのです。昔は標高の低い海岸線にも普通に生えていた木だそうです。
今回のガイドは隣の能代市在住の女性、横山さん。ガイド歴は10年ほど、小さい頃から自然の中で遊ぶことがとても好きだったそうです。訛りのある言葉からは、白神山地の自然を私たちが先頭に立って守っていこうという心も伝わってきます。元々、集落に暮らす住民がマイタケなどを取る里山として使われていましたが、白神産地が世界自然遺産として登録されると観光客が増え、森の環境が悪くなるのでは、と危惧した地元住民と行政が話し合い、最終的に折り合ったのは、ガイド同行だったということです。
「白神はブナの森っていうけど、ブナだけじゃない。クロモジやサクラ、ホウノキなど、いろんな木が一緒にいるの。右を見ると自然が作り出したブナの広がる森、左を見ると人工的に植えた杉林。陽の当たり具合も違うでしょ?下草の様子も違うでしょ?こう見比べるのも大事。」
ブナは太平洋側のクロブナと日本海側のシロブナがあり、腐葉土の多い所に生えます。杉は針葉樹で下へ下へと根を張るのに対し、ブナなどの広葉樹は横へ根を張るので、どうしても土の多いところで育ちます。
「ブナの木を見るとほかの木と違う何かが見えない?」・・・??
「枝や幹に黒い線が1本入っているでしょ?」あ、ほんとだ。確かによく見ると線が入ってる・・・
なぜ、ブナに線が入っているのか?その答えと続きは明日にお話します。
今井 ひろこ
最新記事 by 今井 ひろこ (全て見る)
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(5/n) 選ばれるだけの理由が無ければ売れない - 2019年1月17日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(4/n) 着地型観光で選ばれる商品とは? - 2019年1月15日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る - 2019年1月14日
関連記事
-


-
住民に対しジオパークに興味を持たせる3つの仕掛け(1/2)
先週登壇した東北環境教育フォーラムで頂いた質問のお答えシリーズ続きます! 地域を …
-


-
かつて北前船が運んだ「石州瓦」を秋田でも発見!
昨日のブログの最後のほうで、 他のジオパークを見学することは、自分のジオパークと …
-


-
私が理想とするジオガイド像、有料ガイドが基本。
私が役場を辞めた理由の一つが、NPOたじま海の学校が行っている「まち歩き事業」を …
-


-
12/3(日)大混雑の余部クリスタルタワーでジオを叫ぶ?!【余部空の駅ガイドデビュー】
先週OPENした、余部クリスタルタワー。高さ40mのところにある展望台「余部空の …
-


-
ジオパーク専門員の雇用問題について多数ご意見頂きました
昨夜、鳥取空港経由で香美町の自宅へ戻りました。実家が大阪市内と都会育ちの私ですが …
-


-
ジオパークでの講師やコーディネーターは有償か無償か?
先のブログで「ジオガイドは有償にと言いつつ養成講座は無料で行政が開催する矛盾」に …
-


-
5/10竹野・海浜植物の観察会<ジオ編>
児童向けジオパーク教材の話は長くなりそうなので、児童書編が終わったところで、いっ …
-


-
わかりやすく伝えるにはポイントを絞ること
先日、洞爺湖有珠山ジオパークの火山マイスターである川南さんがNHKの「おはよう日 …
-


-
「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・三笠ジオパークの巻
城崎オンパクシリーズを今日は中断して、今月の日本海新聞コラム連載「日本のジオパー …
-


-
ジオガイドの認定制度は「上から目線でけしからんっ!」という意見について。
先日、「わたしたちジオガイドの認定を、行政主導のジオパーク推進協議会や専門家委員 …
- PREV
- 風土がFoodを生みだす白神山地(3)松岡豆腐店<下>
- NEXT
- 白神山地の本質は種の多様性<下>









