2地域が世界ジオパークに推薦へ!
先日の日本ジオパーク委員会で、来年度に世界ジオパーク加盟を目指す伊豆半島GP(静岡県伊豆半島・15市町)とアポイ岳GP(北海道様似町)の2地域は、世界ジオパークネットワーク(GGN)への推薦が決定されました。今年度は阿蘇ジオパーク(熊本県)が世界ジオパーク加盟に向けて8月に1回目の審査を受たほか、山陰海岸ジオパークが4年前に引き続き2回目の審査(エリアが10%以上増えたために、正確には新認定審査)を受けています。
再認定のための現地審査の様子(山陰海岸ジオパーク)
今回の伊豆半島GPとアポイ岳GPは翌年の審査までに付帯条件を解決し、GGNの本審査を受けることになります。GGNへの加盟申請は、一年に2か所まで、と決められています。そのため、もし、昨年度の隠岐ジオパークのように認定保留になった場合は、翌年に審査が繰り越されます。その場合、阿蘇GPと今回の2か所、計3か所の申請は認められないため、今回推薦順位を付け、アポイ岳GP、伊豆半島GPの順となりました。阿蘇GPが保留となった場合は、伊豆半島GPの世界認定審査は一年先送りの再来年2016年度となります。審査したジオパークがGGN認定見送りとなれば再びGGNへ申請することは事実上不可能と言われています。見送りというのは日本ジオパーク委員会の信用の失墜にもつながることなので、日本ジオパーク委員会は慎重に、かつ、覚悟を持って、推薦するかどうかの審査をし、そして推薦となればフォローアップも行っているそうです。
どちらも推薦には来年の本審査までに整備する条件が付帯されており、
アポイ岳ジオパーク
申請までにカンラン岩の保全保護と利用に関して世界ジオパークとしてふさわしい方針を確立すること
伊豆半島ジオパーク
ジオパークとしての一体感の醸成、および世界へ向けた伊豆半島ジオパークの貢献を明確にすること
となっています。
これらは国内にある世界ジオパークにも当てはまり、
産業としての採掘と保護保全の線引きや考え方を明確にすること
広域連携型ジオパークの一体感の醸成。「ジオパークはひとつ」
世界ジオパーク「ネットワーク」への貢献
が必要です。私が活動する山陰海岸ジオパークで考えてみると、一つ目の採掘に関しては大型の採掘場がありません。一体感の醸成というのは、自治体単位でバラバラに活動するのではなく、一つのジオパークとして予算や事業、運営体制などを作りなさいということです。月1回は府県市町調整会議のようなものをしていますし、ガイドも交流会を年3回開いて、連携をと一体感をつくるように努力が続いています。世界への貢献という点に関しては、推進協議会や学術部門を支える大学や高校などが相当がんばっておられます。
委員さんに以前聞いた事があるのですが、世界ジオパークネットワークへの貢献としては、世界各地の地質学会に専門家や職員が参加していないようなジオパークがいきなり審査の時に候補に上がっても「どこそれ?」ということになるし、学会の活性化に寄与していないと判断されるようです。そのため、山陰海岸ジオパークでは、姉妹ジオパークのギリシャ・レスボス石化林ジオパークで開催されるセミナーへ毎年学術部門の先生方が行かれますし、今年は豊岡高校SSHの生徒がレスボスジオパークへ1週間行き、交流を深めてきました。毎年、海外のジオパークへ視察に行く先生方も居られます。そして特筆なのは、2011年から毎年、海外のジオパークから専門家をお招きして、国際学術会議を開催しています(今年は10月25日-26日に兵庫県の湯村温泉が会場です)。
アポイ岳GPには世界でも珍しい「かんらん岩」が見られるので、世界各地から研究者が集まり、そういう研究者が長期滞在できるような格安の宿泊施設と研究室が常に置かれています。世界の地学研究者たちの受け入れと研究を支えているということが、今回の順位づけになったような気もします。山陰海岸ジオパークでも、短期から3か月程度までを受け入れる研究所のようなところがあればいいですね。
山陰海岸ジオパークと阿蘇ジオパークの世界ジオパーク認定の結果発表は、9月19-22日にカナダ・ストーンハンマージオパークで開催される第6回世界ジオパーク大会で発表されます。今回の審査結果と付帯条件を我がジオパークの事と思って、さらに切磋琢磨し、世界からやってくる研究者も観光客も、その方々を迎える地元住民みんなが楽しめるジオパークにしていくことが、世界ジオパークに関わる人たちの責務だと思います。
ジオパークの推進協議会の皆様
中小企業、個人事業主を含む
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今井 ひろこ


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