地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

ガイドは時にファシリテーターに~但馬牛ツアー報告(3)

   

ツアーの続きです。牛舎を後にして、車で移動。次のポイント「うへ山の棚田」へ向かいました。日本の棚田百選に選ばれた、美しい曲線が印象的な棚田です。この時は雨が止み、風が谷を駆け降り、稲の緑がまるで絨毯のようにそよそよとしていて、とっても幻想的でした。

小代モニターツアー140713
雨上りの美しい緑、うへ山の棚田

ここでは、放棄されそうだった田んぼを借り受け、米を作る活動「俺たちの武勇田」の話を含めて、小代ファンクラブ副代表で武勇田スタッフの小林さんが担当してくださいました。ここも実際の活動をもとに話をされているので、参加者との会話もとても弾みました。お客様は武勇田の活動の話など地域での取り組みから、ガイドの方がその地域でどのように関わっているのかを聞きたいんですよね。そういう話もとても大切だなぁとガイドをお願いしてみて思いました。

小代モニターツアー140713

棚田の後は「但馬牛のレジェンド」田尻松蔵さんのお家へ。今の但馬牛、そして和牛の品質があるのは、この家で生まれた一頭の種牡牛「田尻号」(S14生まれ)がいたおかげです。

田尻松蔵さんとふく江
田尻松蔵さんと田尻号の母牛ふく江
(小代観光協会蔵)

田尻号とその母牛ふく江を育てた田尻松蔵さん。小さいころから牛を見る目があったと言われ、一目ぼれしたふく江を多額の借金をして買って育て、ふく江4番目の子牛が田尻号だったのです。田尻号はその後、県に買い取られ、但馬牛の血統を遺すためのスーパー種牛として活躍します。今でこそ人工授精ですが、田尻号が活躍した戦前戦後の12年間のほとんどが自然交配で、全国で1500頭近い子牛を残しています。(人間だったらすごいことですね!)この田尻号により、素晴らしい肉質の血統が残されたからこそ、それまでの母牛の血統重視から、現在は国内で主流となっている、オス重視の血統作りの道へ。田尻松蔵さんの「牛づくり」そのものが「但馬牛のレジェンド」に値するのです。

田尻家は但馬牛を飼っていた民家の間取りがそのまま残されている、今となっては珍しい御宅で、マヤと呼ばれる牛を飼っていたスペースも残っています。民家の間取り図を見せながら説明すると、より一層、造りが分ります。今は牛がいないので物置にされていますが、田尻号の母ふく江がいたマヤには柵の痕などが残り、家族同様に飼われていた様子が垣間見えます。

田尻家のマヤ
横に柵をしていた時のマヤの名残の残る物置部屋
(田尻昇邸)

田尻さんのお孫さん、田尻昇さん。お爺さまに風貌もソックリで、お話していても、素朴な中に温かさのある、小代特有の純朴さがにじみ出る方です。ちょっとシャイなところが人気の秘密のようです。お爺様と田尻号の話を伺うと、どんどん話が飛び出してきます。

田尻昇さん
田尻号とふく江がいた写真の場所に立つ孫の昇さん

それを引き出すのはガイドの仕事。自分で伝えるだけでなく、紹介する場所の関係者やズバリ本人が居られるのであれば、その方から話を引き出すファシリテーションの技術も求められます。ここは、ガイドが黒子となって、本人が参加者の思い出に残るように、小林ガイドはちゃんと役回りをされていました。今回の小林ガイドは田尻昇さんと同じ集落に暮らしているので、昇さんをよく知っています。それだけに心遣いも違います。

自分の暮らす集落の見どころを案内するって、特別な意味があると思います。住民の多くは当たり前すぎて、自分の集落の素晴らしい場所に気づきにくいもの。それだけに「景色が一望できる、自分が好きな場所」や、近所の住民との普段づきあいが垣間見えて、お客様はより楽しくなります。地元のガイドの方が自分の暮らす集落をガイドすることの大切さは、こういうところにも出てきますね。

田尻昇さん
田尻昇さん(左)と小林ガイド(右)

田尻家の隣の八幡神社から、雨上り、山の緑が美しい小代の風景を眺めて、いよいよ自然の見どころ、要の滝へと見学は進みます。続きは明日!

小代モニターツアー140713
illust2712
香美町まち歩きガイド「香美がたり」
香住、今子浦、佐津エリア受付中!
山陰海岸ジオパーク公認ガイドが
深堀りしたまちの魅力をわかりやすくお伝えします!
お問い合わせ・申込はこちらをクリック!
10291825_455700764565169_5111936446927707570_n
illust2712

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークの旅, 山陰海岸ジオパーク

コメントを残す

  関連記事

ジオパーク全国大会のガイド分科会の様子(4)ガイドと専門家がつながっていない

日本ジオパーク霧島大会・ガイド分科会の続きです。180名余が参加する全体会の会場 …

地域振興をテーマとしたジオパークシンポジウムの開催意義

今や全国に33か所のジオパークがあり、シンポジウムが各地で開かれています。特に山 …

「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・南紀熊野ジオパーク<下>

先月1月31日(土)、日本海新聞朝刊・但馬欄に、連載コラム「日本のジオパークへ行 …

2013年の宿泊旅行業調査結果を聞いて(1)(JRC観光振興セミナーより)

じゃらんリサーチセンター(JRC)主催の観光振興セミナーへ出席し、今の国内旅行の …

山陰海岸、世界ジオパーク再認定!

今日はとってもめでたい日です。カナダの世界ジオパーク大会で、山陰海岸ジオパークが …

観光に携わる人ほど旅に出て、観光客視点で見てみよう

この秋は長野県伊那市や沖縄本島へ出かけました。日頃は観光客を迎える側ですが、仕事 …

大雪警報が出ている但馬地方へ車で北上、チェーン規制を体験?!

昨日夕方、兵庫県南部・淡路市で講演会をしてそのまま宿泊、今朝8時半過ぎに淡路市を …

沖縄本島で勝手にジオガイド♪

昨日まで3泊4日で沖縄に旅行に行っていました。Facebookの懸賞に応募したら …

4年に一度の再審査にむけ、進化したガイドシステムとは?

今日は昨日のジオパーク話に続いて、ジオパークのガイド養成に対する私の考えについて …

今年も地域資源の商品開発に使える補助金が登場!「平成29年度山陰海岸ジオパークビジネス創出支援事業」

ようこそ!兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今 …