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今年からさらに厳しくなった日本ジオパーク認定審査

   

今年の認定審査では、3地域が認定、1地域が保留、2地域が見送りという例年になく厳しい結果となりました。(審査結果はこちら

「保留」になったのは苗場山麓(新潟県津南町・長野県栄村) 。ジオパークとしての具体的な活動及び整備を保証する明確な計画書が提出されるまでの間は保留とし、内容が日本ジオパーク加盟に値すると委員会で判断された時点で認定となります。4月の公開プレゼンでは委員の方から「山麓と名が付いているが、山麓と地質地形のジオストーリーがつながっていない」「拠点施設が無い」「ジオエリアが孤立していて、エリア間のつながりが薄く感じられる」などが指摘されていました。観光客がジオパークへ行ったときにすぐに対応できる「場所」(拠点施設や情報センター)、ガイドなどの「ヒト」が最低限のレベルに達していないと、加盟出来ないことを示しています。ジオパークになってから準備では遅いのですね。

苗場山麓ジオパーク構想
苗場山麓のジオパーク公開プレゼン(4月:横浜)

残念ながら「見送り」となった下北半島(青森県)と筑波山地域(茨城県)。どちらも準備不足という指摘です。

下北半島は『地域の地球科学的遺産の認識、理解と保全、ジオパークの名称・テーマなどについて不十分な点が見られ、ジオパークとして活動する準備が整っていない。』ということです。ここは5市町村の広域連携型。その場合は広域連携の活動が重要になってきますし、ジオパーク認定後の未来像が見えてほしいところですが、公開プレゼンでは、ジオテーマのみならずジオパークそのものの「未来」が全く見えていませんでした。ジオパークになりたい、だけではダメなのです。

河北新聞の記事では

むつ市役所には午後5時15分ごろ、見送りの知らせがあった。下北半島ジオパーク構想推進協議会長の宮下宗一郎むつ市長は「非常に残念だ。見送られた理由を検証し、来年以降の対応を考えたい」と語った。(2014年8月29日河北新聞インターネット配信より)

とありますが、素材は十分にあり、半島自体が他にない特徴を多数もっています。ストーリー構築と広域連携の活動についてもう一度見直したり、他の広域連携型ジオパークへ行って下北スタイルを模索するなどして、再申請してほしいと思います。

筑波山地域は『全体構想が不十分であるとともに、稼働中の採掘場をジオサイトとして選定するなど、地形・地質遺産の保全への認識不足』と極めて厳しいコメントでした。ジオパークは保護保全が基本で、特にジオサイトでの鉱石の採掘、販売は輸入品も含めて認められません(糸魚川GPのひすいは古墳時代からの産業であり認められています)。公開プレゼンではジオストーリーの多くが岩石にフォーカスされており、伝統建築、農耕など、地形風土と人々の暮らしに結び付けられていないことが指摘されていました。岩石好きの観光客だけを相手にするのであればそれもわかりますが、観光客の殆どは残念ながらそうではありません。

読売新聞の記事によると、

 一方、6市の連携や花こう岩の採掘場の見せ方など18の課題が挙げられ、同協議会は「事務局は会長市に置くが、他市にも事務局支部を置き一体的に取り組む」などと対策を回答した。同委員会はホームページに「魅力ある場所が存在している。課題を解決して再び加盟申請を期待したい」とも記した。市原市長は、「何が足りなかったのか、どうすればよいのかを考え、課題を解決して来年再チャレンジしたい」と語った。(2014年08月29日読売新聞インターネット配信より)

ということで、ジオパークとしてのベースからしっかり立て直して再申請を祈っています。

 

ジオパークへ遊びに行ったとき、そこのジオパークのテーマが、複数のジオサイトへ行くことで、まるでひとつの物語を読む如く、イメージがつかめ、ツアーが終わった時に、ツアー参加者自身の新たな視座の広がりを感じるとともに、母なる地球のすばらしさ、そこに今生きるありがたさを感じることができることが、ジオツーリズムで求められています。

ジオパークはネットワーク。今、ジオパークになっているところの職員やガイドを呼んで話を聞くだけでなく、まずは同じようなジオパークの形態(広域連携、県をまたぐ連携地域)や同じテーマのジオパークへ出かけて、ジオパークを体感してください。それも事務局長が公費を使って出張、でなく、自費で何人かで行ってください。お金を使って実際体験することが大事です。その上で、自分の地域をジオパークで地域活性できるのかどうかを見極めてください。また、いろんな先生方や日本の各ジオパーク推進協議会の事務局と相談を重ねるなど、どんどんネットワークを活用して下さい。最近では、ジオパークに関わった方のリクルートが盛んですので、そういう人材も拾ってノウハウをつかんでください。(私も他のジオパークから呼ばれれば、積極的にフォローアップに出かけています)

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークとは?

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