人口減少社会に突入した今の時代のジオパークの考え方
私は、これまで約17か所のジオパークやその準備地域へ講演会に行きました。主に依頼される話は「ジオパークでの地域づくり」です。ジオパークは足元の大地から地域資源を掘り起こし、保護保全を図りながら、ふるさと教育や観光に活用していく、という3つの手段で、幸せに暮らし続けることのできる地域を作っていくこと。これが目的であり目標です。ジオパーク域内での講演会ということは、ジオパークに住む方々にとってのジオパークの在り方、の話だから。
そこで大事なのは、「幸せに暮らし続けることのできる地域を作っていくこと。」の前提になる、『人口減少社会』という前提条件です。2009年より、緩やかではありますが人口は減っています。特にジオパークのある地域は過疎化、人口流出が進んでいる地域。特に若い女性が都会に出たまま戻ってこないという現象が起こっています。
定住人口が増えないのなら、と、観光客を増やして交流人口を増やし、増えたならいろんなところを見てほしいので、人々が訪れる「見どころ」も必要。宿も作って、お客様の利便性を考え、お土産も買ってくれるだろうから、商品なども開発したい。人がたくさん来るからお金が落ちる。世界遺産ビジネスの仕組み、観光地の昭和チックなビジネスモデルを、ジオパークにも当てはめようと短絡的に考えている方が未だに居られます。昭和時代に成功したビジネスモデルで食いつないでいる方々が多いからです。
昭和時代と今の違いは、人口が増えるか、急速に減るか、です。もう、外国人観光客を受け入れない限り、観光人口が増えないのです。日本人が今の倍、旅行を楽しめば別ですが。日本人が旅行をそれほどしなくなったのには理由があり、価値観の多様化で「旅こそ趣味の王道」という時代が終わったこと、そして、お金を持つシニア層の足腰が弱くなり旅行に出る回数が減っていること、そのタンス貯金は素直に子孫に残っていかないこと(贈与税で国に吸い上げられる)、若い人の出生率も少なければ、シニアはどんどんあの世からお迎えが来るのです。
外国人観光客は旅の途中の買物はあまりせず、飛行機に乗る前に東京や大阪で買い物をします。ですから、土産物などの商品開発をするよりは、現地で体験できることを増やしたほうがいいのです。宿も外国人専用のところを作り、バックパッカーの安宿から富裕層向けのゴージャス宿までいろんな価格帯と種類の宿泊施設もを作るほうがいいでしょう。宿の泊食分離を集落内ですすめると、それぞれの得意な人が店をされるでしょうから、活気づき、若い人たちも参画できるかもしれないですね。若い人たちが帰ってくると子供も増えるでしょう。その子供たちを集落のお年寄りみんなで世話をする。働く環境づくりが集落でもできます。人口が少なくなっても生き生きと暮らせる地域になると、外国人観光客の受入整備に期待をかけています。
これまで
⇒大地という足元から見つめ直すことで、地域の掘り起こし、あるもの探しをしてそれを地元の子供たちのふるさと教育や観光客誘致につなげていこう
これから
⇒ふるさと教育や観光客誘致は当たり前。重要なのは『人口が減っても』地域の人たちが幸せに暮らしていける地域づくりの土台としてジオパークを活用すること。
私はジオパークのビジネスモデルの考え方、捉え方が次のステップに来ていると感じています。
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今井 ひろこ


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