地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

地域振興をテーマとしたジオパークシンポジウムの開催意義

   

今や全国に33か所のジオパークがあり、シンポジウムが各地で開かれています。特に山陰海岸ジオパークでは他のジオパークとは異なり、民間事業者やガイドが協力してジオパークビジネスシンポジウムも行われてきました。

2013年9月1日地域活性化シンポジウム

そもそも、なぜシンポジウムを行うのか。これをしっかりと参加者、主催者ともに意識をして開催しなければいけないのに、シンポジウムという事業開催ありきで話が進んでいるものを見かけます。助成金、補助金を取って、会場も抑えたし、これをして参加者が何人だった・・・で終わっては、税金が投入されているシンポジウムほど無駄金です。

そうならないようにするには、

  1. 誰に
  2. 何を
  3. どのようにしてほしいのか
  4. 今後どう行動していくのか

を登壇する演者や主催者はもちろんのこと、当日の参加者に向けて明確に伝え、全員が「あぁ、聞いて勉強になったわ」ではなく、「明日からすることが見えてきた!」という意識改革、行動改革につなげる必要があります。

私はよく「ジオパークで地域を繋ぐことができる」と言っていますが、それは香美町で成功したと言えるからです。香美町は世界ジオパークの審査があった2010年からようやくジオパーク活動を始めました。とはいっても、私がジオパーク推進補助員(雇用8か月の臨時職員)として採用され、当初の契約業務であったコピー取りやワープロ仕事、資料館の受付などの仕事以外にも、自分でも仕事をどんどん作り、出前講座やジオカフェなどのイベント、ジオパーク展示室の定期リニュアルなどを次々やっていき、メディアの協力も得ながら町内へジオパークの浸透を図っていったことも、活動に勢いをつけたと思います。

新聞記事_香美がたりブック訓谷
地元自治体予算で作れないものはNPOで事業化して作りました

任用当時は崖、滝、岩などの分りやすいジオサイト(ジオパークの見どころ)だけを見に行っていたのですが、出前講座で集落を回るうち、聴講する方々の多くがスーパーシニアの方であることに気づきました。皆さんは地域の良さをしっかり認識しておられ、講座が終わった後には「あそこにまだそんなに知られていない滝があるんだが、知っとるか?」とか私に教えて下さいます。野菜やコメが美味しい理由も水や土、気候風土にあること、ここでないと美味しくならないということも教えてくれます。

ですがその会話の最後におっしゃるのは「若いもんがおらんでなぁ」「仕事がねぇでなぁ」なのです。地域の将来性はシニア層でなく若者が握っています。若者が居なくなった集落というのは、その将来性の芽が摘まれていることを示し、先が見通せないのです。現在の価値観はシニアの方がアクティブに動いていた昭和ではなく、若者が文化を創り出す平成に移っています。若者が主導的に動くまちづくりやシンポジウム開催こそが未来志向であり、その後の彼らの活動にいい影響を与えます。

ジオパークのシンポジウムというと、シニア層によるシニア層のためのシンポジウムになりがちです。地域で踏ん張る若い人たちにこそ積極的に参加してもらい、今の地域のあるままを活用し、自分たちで風土に合わせたアレンジを行い、現状の価値観に新しい風と光を当てて、若者が積極的に楽しく地域を守りながら暮らすライフスタイルを何年もかけて作り上げていくことが、ジオパークに求められている地域活性化の姿と考えます。

そのためにも、地域振興をテーマとするジオパークシンポジウムでは、できるだけ参加者は若者を登用し、登壇者が地域でどのような活動を行っているかを発表して頂くこと。発展させ持続させるために地域団体、地域住民や自治体がどうサポートしていけばいいかのアイデア、他地域の活性化例も交え、会場の聴講者とディスカッションができるシンポジウムになってほしいと思います。

実際、香美町で一昨年開催したフォーラム、去年豊岡市で開催したフォーラム、民間主導でパネラーは若手中心(心が若手ならOK)で実現しました。会場からの質問では若い方からの質問もありました。香美町のシンポジウムでは高校生からの意見質問もありました!「パネラーではこの人を入れないと」とか、権威主義での上からのアドバイスは思い切って断りましょう。未来を作ることができるのは若者しかいないです!!

 

illust3786
ジオパークの推進協議会の皆様
中小企業、個人事業主を含む
ジオパークの民間事業者支援は
ミラサポで今井ひろこを活用!
今年度、国の支援制度で、年3回まで
指導料は一切不要。今がチャンス!
詳しくは私のこちらのブログを参照ください!
180x50
illust3786

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークとは?, ジオパークビジネス, ジオパーク講演会, 山陰海岸ジオパーク

コメントを残す

  関連記事

ジオパークが急激に広がった5つの理由(1/2)

先週登壇した東北環境教育フォーラムでは、90分のお時間を頂戴して、「ジオパークで …

コウノトリが巣立ち間近~城崎オンパクツアー・戸島湿地

先週、城崎オンパクのツアー「この時期なら見れるかも!?幸せの鳥・コウノトリの子育 …

ジオパークでの講師やコーディネーターは有償か無償か?

先のブログで「ジオガイドは有償にと言いつつ養成講座は無料で行政が開催する矛盾」に …

ジオパークで観光客を集客できない理由は「ウンチクにこだわり過ぎ」(1/2ページ)

先日、主人の民宿が楽天トラベルから表彰され、マイスター賞(キャッチコピー部門)を …

天草ジオパークで登壇「もう一度、話をしに来て欲しい!」

先月31日に熊本県の天草市へ参りまして、ジオパーク講演会を行ってきました。遅くな …

小学生による海辺の漂着物調査を行いました(後半)

「小学生による海辺の漂着物調査を行いました(前半)」の話の続きです。休憩時間が終 …

ジオパークをひと言でいうなら?自身の講演スライドから(1)

ジオパークをひと言でいうなら? ジオパークに携わる方が必ず壁にぶち当たる、この命 …

ジオパークは「温故地新」~神戸新聞掲載「見る聞く」から<3/終>

県内各地では10年前に平成の大合併が行われ、自治体が再編されましたが、合併後の市 …

ジオパークにおける地域コーディネーターの必要性

地域を繋ぐ、地域のやる気ある人を発掘して導くコーディネーターが、ジオパークで地域 …

ジオパークがまちおこしと相性が良い5つの理由

全国にいま自治体はいくつあるか、ご存知ですか?現在、日本の自治体は1718市町村 …