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ジオガイドの醍醐味は俯瞰できること

   

金土日と3日連続でスキューバダイビングをしていました。今の日本海はとてもきれいな透明度で、沖縄本島で潜っているかのような美しさです。魚はオキナワと違い、銀色や茶色など地味なものが多いですが、愛嬌があり、観察も比較的自由にできます。

佐津の海の中

但馬に嫁いでしばらくは水中ガイドだけを行っていましたが、町のジオパーク推進員になってから週末も資料館で勤務をしていたため、ダイビング体験会とスノーケリングだけ手伝って、ダイビングガイドをしていませんでした。とはいっても、休みの時に主人と潜り、魚の捕食(食べたり食べられたり)を観察したり、夏の海藻の調査を趣味程度にしていました。

ミル

ジオパーク推進員を辞めて、フリーのガイドになって、久しぶりに海の中のガイドを行いました。実に5年ぶり。自分で潜っているのと違い、お客様にご案内する場合には、お客様が何を知りたいか、カメラを持って行く場合には、何を撮影したいのか、事前に伺ってニーズを把握します。

自分が見たいもの、見せたいものと、相手が見たいものは違うことが多いです。特に水中はすべて生き物。海藻はしばらく同じ場所に生育していますが、魚は巣が無い限り動くので、昨日見たものが今日いないこともしばしばなのです。そこは「一魚一会」。会ったら観察しましょう、とお伝えしつつも、ガイドの途中で探します。

ハナタツ

陸のジオガイドを4年経験し、5年のブランクを経て、水中のガイドをしてみて気付いたことは、魚の生態や海藻などが地形と合わせて3次元的に俯瞰して見れるようになったことです。お客様をガイドした時、リクエストを頂いたのは「静かな水面で、水中から山や緑が見える場所で、かつそこにミズクラゲもいたらラッキー」でした。静かな水面ということは入り組で、崖が迫っているような場所、水中から撮影するのであれば水面にゴミなどが溜らない場所、ミズクラゲが居るということはそこからすぐに水深が取れるような場所、が条件になるのです。それを瞬時に頭の中で記憶をたどり、何か所か回って撮影して頂くことができました。

クラゲ

生き物の生態も、動物行動学を学んでいた5年前よりもよく分かるようになり、魚の行動が人間模様に見えてしまいます・・・人間の行動に例えて、魚の動きをお客様に伝えることで、魚をより身近に感じ、行動に注目して頂けるような気がします。それは、陸ガイドで学んだジョロウグモのオス・メスの物語と、クモの巣に同居するシロカネイソウロウグモを観察したときに学びました。

ジョロウグモはメスが圧倒的に大きく、オスはとても小さいです。そしてメスのお腹に精子を入れたら、その後はメスに食べられるかわいそうな運命にあります。そんなドラマを横目に見ているのが、同居しているシロガネくん。シロガネくんはジョロウグモが食べた残りかすを食べる居候です。ガイドコースを通っているときにやたらと目につく蜘蛛。お客様に単に見せただけでは嫌がりますが、そのような話をした後に見て頂くと、その途端に興味を示され、「オスがいた!」「シロガネめっちゃ小さい!」とあちこちにいるジョロウグモはヒロインに変ってしまいます。

何気ない生き物にもドラマがある。それを水中でも陸でも同じように見ることができれば、珍しい花、珍しい生き物がいないところでも、ワクワクした自然ドラマを体感することができます。同じ場所でなく、違う場所でも愉しめること。ジオパークは日本各地にあるので、同じジオパーク、同じジオサイトでなく、違うジオパーク、違うジオサイトにお客様が行かれても、以前に見た景色、見た自然と比較して楽しめるようにすること。それがジオガイドのガイドとしての務めだと思います。

ハオコゼ

何も地質だけを語るのがジオガイドではありません。生き物も花も自分で学んだことをお客様と一緒に共有して愉しむ(語る、ではない)のがジオガイドだと思っています。陸ガイドを4年してきて、今は、より深く愉しく、水中から標高600mまでお客様にガイドする自信が付きました。

 
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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークとは?

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