海と大地が育むキャベツ-日本のジオパークへ行ってみよう!(日本海新聞連載)
2014/07/28
一昨日、月一回掲載している日本海新聞但馬版「日本のジオパークへ行ってみよう!」。今月は銚子ジオパークです。
銚子へは今年3月に行き、ガイド向け講座を行いました。東京からJR又は高速バスで2時間半で到着します。もっとかかるかと思っていたら、意外と近く感じました。この記事の話以外にもたくさんの見どころがあったので、ご紹介します。
銚子電鉄、チョー楽しい!
銚子電鉄はローカル列車で、JR銚子駅のホームの東端から出ます。1時間に1本しか走っていないです。(そこは山陰本線と変わらず。)切符は列車の中で購入。車体に味があって、全国各地の古い車体を使っているそうです。写真を撮っていたら「鉄子」と地元の乗客から間違われましたが、決して鉄子ではありません。。。
銚子電鉄の途中の駅の駅舎には美味しいたい焼きのお店が!銚子電鉄といえば醤油のぬれ煎餅が有名なのですが、ここのたい焼きも美味しかったですよ。私は3月に行ったので桜あんを。あぁ、美味しかった!
銚子電鉄には有名なガイド・坂野さんが居られまして、喋りが漫談のようにとても流暢。ほぼ毎日、下手したらダブル、トリプルヘッダーでガイドをされているんですって。銚子の観光ガイドとしては以前から歴史系があったそうで、ジオパークのガイドチームとは分けているのだそうです。しかし、両方に登録しているガイドもいるので、仲よく交流しておられます。すごいなぁ~。
ガイドの坂野さんが目的の駅に着く僅か15分くらいの間に、駅のトリビアを教えて下さったのですが、一番インパクトがあったのは、鞄の中から「いまがちょうど旬だから、ぜひ食べてみてね、キャベツ!」と新鮮なキャベツをひと玉出されたこと。そんな重たいものをわたしに見せるためだけに持って来て下さったとは!と感激しました。私も真似したいところですが、さすがにカニは生臭くってできません。
しょ、しょうゆソフト?!
銚子は醤油メーカーが多く、全国展開しているヤマサ醤油も実は銚子です。その工場では売店でしょうゆソフトが売っているんです。見た目はモカっぽい色。だけど、食べるとバニラの後にほんのりと醤油っぽい味・・・不味くないです。よくここまで整えはったと思いました。
ソフトクリームのラインナップを見ると、一番上は「しょうゆ」
ほんのり醤油色。
銚子の醤油の出身は和歌山
銚子の醤油は、もともと和歌山県の湯浅周辺の方が江戸時代に銚子へ行き、製法を伝えたものだそうです。南紀から江戸までは黒潮に乗って菱垣廻船、樽廻船と呼ばれる東回り航路で、江戸から銚子は大規模河川改修を行って現在の流路になっている利根川を経由して行ったのではないでしょうか? 北前船は大阪や北海道の日本海側を行き来する間に、文化や産業も行き来し、昆布だしの文化などを作りました。それと同じような海運流通が太平洋側にあったんですね。
屏風ケ浦は大迫力!
高さ30-60m、長さ10kmに渡って延びる断崖です。地層がバームクーヘンみたいでステキでした。潮干狩りに来られている方が居られて楽しそうでしたねー。その一方で「あ、崩れてる!先週は崩れてなかったのに」とガイドさんが教えて下さった場所もあって、こうやって、すこしずつ海岸線が後退していくんだそうです。遊歩道が付いてからは崩れるスピードが収まったらしいのですが、その反動は千葉県太平洋側の南側、九十九里浜にきているそうで、そこの浜は砂がどんどん無くなって、砂浜が消える恐れがでてきたとのこと。実は銚子の海岸線の砂は九十九里浜へ自然に供給されていたんですね。保護の仕方は難しいです。。。
まだまだ書き足りないくらい、銚子は魅力あるジオパーク。魚やスイーツなど食べ物もおいしいので、ぜひ行ってみてください!
香美町まち歩きガイド「香美がたり」
香住、今子浦、佐津エリア受付中!
山陰海岸ジオパーク公認ガイドが
深堀りしたまちの魅力をわかりやすくお伝えします!
お問い合わせ・申込はこちらをクリック!


今井 ひろこ


最新記事 by 今井 ひろこ (全て見る)
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(5/n) 選ばれるだけの理由が無ければ売れない - 2019年1月17日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(4/n) 着地型観光で選ばれる商品とは? - 2019年1月15日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る - 2019年1月14日
関連記事
-
-
ガイドは時にファシリテーターに~但馬牛ツアー報告(3)
ツアーの続きです。牛舎を後にして、車で移動。次のポイント「うへ山の棚田」へ向かい …
-
-
白山手取川ジオパークで水の旅(3/3)荒忠さんのフグのへしこ
今回、フグのへしこを作って100年以上の荒忠さんの工場を見学させて頂きました。小 …
-
-
自然の造形に思わず息を呑む竜串海岸〜土佐清水のジオパーク講演会外伝
土佐清水市でのジオパーク講演会の前日、15時半に土佐清水市に近い土佐中村駅に到着 …
-
-
五里霧中から霧が晴れたAPGNガイドツアー準備
昨日の続きです。ガイド依頼の荷が重すぎて、いよいよ撤退か?と追い詰められた私が、 …
-
-
大雪警報が出ている但馬地方へ車で北上、チェーン規制を体験?!
昨日夕方、兵庫県南部・淡路市で講演会をしてそのまま宿泊、今朝8時半過ぎに淡路市を …
-
-
「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・南紀熊野ジオパーク<下>
先月1月31日(土)、日本海新聞朝刊・但馬欄に、連載コラム「日本のジオパークへ行 …
-
-
新聞記事に!!但馬牛と人々の暮らしを感じるシーンが続々!但馬牛ツアー報告(2)
みなさんにお知らせです。何と、先日の但馬牛ツアー、日本海新聞に大きく取り上げられ …
-
-
但馬牛と田尻号の話を、日本ジオパーク委員長の尾池先生に書いて頂きました
スーパー但馬牛・田尻号とその血統を調べた故・藤村美香さんの話を先月ブログに書きま …
-
-
2013年の宿泊旅行業調査結果を聞いて(2)(JRC観光振興セミナーより)
じゃらんリサーチセンター(JRC)主催の観光振興セミナーへ出席し、今の国内旅行の …
-
-
ブナシメジの新食感!~ジオパークの楽しみは「郷土食」
旅にはやっぱり「食」も大事。日本ジオパーク南アルプス大会で訪れた長野県伊那市、そ …