地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

ジオパークで観光客を集客できない理由は「ウンチクにこだわり過ぎ」(1/2ページ)

   

先日、主人の民宿が楽天トラベルから表彰され、マイスター賞(キャッチコピー部門)を受賞しましたが、実はこれも含めて過去4-5回楽天トラベルから表彰をされています。その多くはキャッチコピーに関することですが、民宿におけるキャッチコピーとはズバリ「宿泊プラン名」です。(グリーン色の下地に白抜きのところがプラン名です)

かどやプログラムタイトル

宿泊プラン名とそのプランに合ったページ構成、企画力が求められます。もちろん、賞を取るためにページを作っているのではなく、お客様にお越し頂きたいために、分りやすいページを心がけています。今年は私もダイビングのインストラクションに復活するので、親子ダイビングプランを企画しています。

かどやダイビングプラン

実は今回、キャッチコピー賞を受賞して、夫婦で気づき、納得したことがあります。

 

「お客様は最初から”うんちく”は聞きたくない。」ということ。

知りたいのは「そのツアーが自分たちにとって価値があるのか」だけ。

 

ジオパークに関わるようになって、最初は「ジオパークで観光客を呼び込むには、ジオストーリーを語ってジオパークを全面に出して、知的欲求の強いお客様にターゲットを絞って、食事メニューを考えなきゃ」という思いで、香美町の海と山の幸を1つの鍋で食べる「ジオ鍋」を考案して、集落の8軒の宿で提供し始めました。但馬牛、松葉がに(ずわいがに)、香住がに(べにずわいがに)、ハタハタ、イカなど、いろんな具材を季節ごとに変え、それぞれにジオ的ウンチクをHPに書いていました。確かその時は「ジオパークの恵み<ジオ鍋>」と書いていたような気がします。

 

ジオ鍋

香住の宿では、但馬牛や香住ガニ、松葉ガニ以外の食材を鍋のメイン具材として出す店が少なく、他地域と差別化が図れます。なにより主人の食材へのこだわりが出ていますので、ウケると思っていました。ところが・・・珍しさが一巡すると、だんだん売れなくなってきました。いいプランなのになぜかな?と、プラン名を少しいじったり、写真を変えたり・・・と試行錯誤の連続。しかし、お客様から頂いたアンケートを見たら、そこには私たちが気づかなかったことが記されていました。

「食事の好みの違う家族なので、それぞれに好きなものを食べることができて良かった」

「香住ガニを食べたことが無かったし、香住のいろんな食材が食べれて、お試しコースみたいでヨカッタ」

なるほど!食材にこだわるお客様よりも、ちょっとずついろんな種類を食べたいお客様、家族で好みが分かれるお客様にウケるのかもしれない!! そこで、ホームページに事細かに説明していた食材のウンチクは最低限にとどめ、宿泊プラン名とホームページも「家族旅行にぴったり!」とリニュアルした途端、予約数が復活、右肩上がりで伸び始めたのでした。

ジオ鍋
大地のこだわりをPRしていたのを・・・

↓↓↓↓↓

ジオ鍋
家族のハッピーにフォーカス!!

つまり、最初から「商品説明」を全面にするよりも、お客様にとってどういう具体的メリットがあるのかが鮮明なプラン、そしてそのプラン名から情景が容易に想像できるかが、お客様に認められて予約ポチッ!のコツで、それは商品POPやキャッチコピーなどの作り方にも共通しています。今回受賞のプランも、水中地形や生物云々といったジオパーク的な宣伝は表に出さず、「親子で思い出作り!」「父親の威厳復活?!」など、「親子の絆をさらに深める楽しい夏休み」ということを全面に出したものにしています。

 

長くなってきましたので、もう一例、変更して結果が出た事例をあげて、続きのブログでお話ししています。(2)をご覧ください。

ジオパークで観光客を集客できない理由は「ウンチクにこだわり過ぎ」(1)|(2)

 

illust3786
中小企業、個人事業主の方、
ジオパーク活用法で困っていたら
ミラサポで今井ひろこを活用!
ジオパーク初、中小企業庁の専門家。
今年度、国の支援制度で、年3回まで
指導料は一切不要。今がチャンス!
詳しくは私のこちらのブログを参照ください!
180x50
illust3786

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ガイド, ジオパークとは?, ジオパークの恵み, ジオパークの旅, 山陰海岸ジオパーク

コメントを残す

  関連記事

ジオパークが急激に広がった5つの理由(1/2)

先週登壇した東北環境教育フォーラムでは、90分のお時間を頂戴して、「ジオパークで …

紫の花が一面に咲くらっきょう畑でジオを語る農夫に、夫婦で感動!

昨日、夫婦で宿のコンサルティングのお仕事でした。島根県に向かう途中、自動車道を走 …

城崎温泉と香美町小代のコラボ・但馬牛見学ツアーの意義

昨日とおとついのブログで、城崎オンパクで行く、但馬牛見学ツアーin香美町小代のお …

夏休みの自由研究が最優秀賞に!〜ジオガイドの新たな役割に〜

昨日は所用で大阪市内の病院へ。戦前に病院が建つ前は、私の母校の高校(といっても旧 …

かつて北前船が運んだ「石州瓦」を秋田でも発見!

昨日のブログの最後のほうで、 他のジオパークを見学することは、自分のジオパークと …

ジオパークガイド交流会でインバウンド対応を勉強しました!

昨日、山陰海岸ジオパークガイド交流会に行ってきました!今年第一回目で、鳥取市〜京 …

「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・白山手取川ジオパーク

先月2月28日(土)の日本海新聞朝刊連載コラム「日本のジオパークへ行ってみよう」 …

城崎温泉・温泉寺と古式入湯作法(下)~城崎オンパクでジオってみよう(2)

今回の目的は、温泉寺で古くから大切に伝えられている「古式入湯作法」。古くから城崎 …

「本質に目を向けて知る。その先に変化や繁栄が有る。」ことを学んだ温泉寺

先日、城崎温泉の足湯に浸かったら、足どりが軽くなって「温泉」の効能を感じたワタシ …

ジオガイドこそ、ジオパークの楽しさを発信しよう

全国各地のジオパークへ講演会に行っています。今日は、高知県で2番目のジオパークに …