Facebook広告は集客ではなくリサーチ(データ収集)に使おう
今日は香美町の中山間地域・小代(おじろ)で畜産農家さんや但馬牛の史跡を巡るツアーを開催しました。ツアーの特徴は3つあります。
1.畜産農家の牛舎にお邪魔して、農家さんから直接解説して頂く。
2.小代の山菜料理や但馬牛の料理をいれたツアー特別会席。
3.小代の棚田、滝、緑深い森など美しい里山が見れる。
今回のツアー、実は城崎温泉観光協会が年二回、体験プログラムを通じて、観光客に城崎及び周辺を巡って新たな城崎温泉の魅力を知って欲しいと去年から始まった取り組み「城崎オンパク」のひとつで、城崎温泉や周辺の旅館民宿で出される地元名産・但馬牛のルーツとされる香美町小代を巡り、但馬牛に興味を持って頂き、美味しく召し上がって頂きたい、という思いで、ツアーを山陰海岸ジオパーク公認ガイドの私が企画して、小代ガイドクラブと協働したツアーで、今回が2回目でした。
ツアーガイドは小代在住で、昨年一年間、ガイドトレーニングで学んできた方が担当し、お客様の車に乗車して道案内も含めてガイドを行います。なお、オンパクだけはコーディネーターとして私も同行して、時間配分や急なコースの変更などに対応します。
さて、この但馬牛見学ツアーは城崎オンパクの他にも何度か昨年はモニターツアーを行っており、ツアー募集は香美町小代観光協会やNPOたじま海の学校、地元新聞でも行っているのですが、全然人気が無いんです・・・ううっ。今回も3人+私の旦那。興味のあるお客様にこの情報が届いていないのか?それとも訴求点がずれているのか??
そこで今回は何と「Facebook広告」を出してみました!初の試みです。NPO法人主催のツアーですが、さすがにこの広告費はツアーコンダクターの私の自腹で行いました。4回出して合計4000円弱かかったので、ツアー代金くらいかけました。実際のツアー売上げからその金額を抜いたら赤字です。広告代、自腹でヨカッタ・・・(汗)そのFacebook広告で意外な事実が分かりました。
FB広告は上部に「広告」と入ります。
Facebook広告は集客ではなく、その前段階のデータ収集に活用すべし!
まず、Facebookは商売に使ったらダメよ、そういう媒体じゃ無いの、といつも話をしている私がどうしてFacebook広告を出す気になったのか?それは、私が自分のFacebook友達(特に但馬に暮らす方)やNPOたじま海の学校のファンにこそ、このツアーに参加して欲しいと思ったからです。
但馬牛は鎌倉時代から都では名の知れたブランド牛で、日本では殆ど例の無い純血種の黒毛和牛。現在流通している国内すべての黒毛和牛の祖先を辿っていくと、必ず小代で生まれた雄牛「田尻号」につながっているから驚きです。ですが、但馬牛が辿った歴史や今の畜産農家のことは但馬に暮らす住民の殆どが知らないのです。それが私はとっても悔しい。産地に住んでいるからこそ、その土地で無ければ生まれなかった素晴らしい特産品のことくらいは、地元に居るんだから最低限知っててほしいし、友達に伝れるようになってほしいと思ったんです。
その結果・・・この広告に興味を持ってクリックして下さった方は、何と8割強が「男性」。それも35-54才のミドル男子(?!)に人気があったのです。むむ。
私としては美味しい食べ物や小代の美しい里山の風景が見れるし、但馬牛のかわいい子牛も間近で見ることができるから、クリック数は女性が絶対に多い、このツアーは女性にあたる!と思っていたんですが、その結果がツアー参加者にも反映され、参加されたのは男性だけでした。2008年と少々古いデータですが、女ゴコロマーケティング研究所のデータによると、家族旅行で宿泊先や行き先を決める決定権は妻が7割という結果が出ています。この傾向、私は今も変わっていないと思っています(私の家ではそうです)。
ですから、女性に支持されると、夫婦や女性一人での参加が見込めて参加者が増えると思ったんですが。。。
今回、Facebook広告でこの結果を得たことはとても意味があって、女性に支持して頂けるようにどう訴求点を見直すか、また、どんな写真で宣伝するのがいいのか、などなど、研究を深めていかなくてはいけないなぁと思いました。もちろん、但馬牛そのもののブランドイメージをどう形成していくのか(対住民、対観光客)、そこも考える必要があります。
商品を買ってもらう前には知ってもらう、興味を持ってもらう、という段階を経なければなりません。このキャッチコピーでこの写真を使ったらこういった人の反応率が高い。まずはそのデータを集め、興味を持ってくださった方の層によりマッチしたキャッチコピーや内容を考えていくとクリック数が上がっていくのでは、と思いました。Facebookはそういったリサーチを手軽にできることを今回発見しました。今回得たデータは次回開催時に生かしたいと思います。
それ以外にも、私にとっては今回もいろいろとこのツアーで新しい発見がありました。ツアーの報告は明日させて頂きます。

今井 ひろこ


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