天然醸造を貫く大徳醤油に私が惹かれた3つのポイントとは?
ここ但馬(兵庫県北部)は、海も山も豊かな恵みをもたらします。
温かい地方に生える植物の北限だったり、寒い地方に生える植物の南限でもある日本の植物のクロスポイント。
それだけ生き物がたくさんいる地域は、良い菌類も豊富。
だから、お酒や味噌などの発酵食品はより味わい深くなる。
もちろん、お醤油も然り。
ここに住んでもうすぐ10年。まだまだ知らないことが多い事を実感した昨年12月。
私がガイドするお客様にお土産として紹介したいお醤油の話なので、ブログでもお伝えします。
兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
但馬コネクションで深く知った「大徳醤油」
世界的なハンガーメーカー「中田工芸」の社長のご自宅で、毎月開催されるサロン「但馬コネクション」。
昨年12月のゲストは「大徳醤油」の専務・浄慶拓志さん。新聞等でお名前は拝見していたものの、初めてお目にかかりました。
醤油業界の裏表まで赤裸々に語ってはったので、裏のことはここでは書きませんが(笑)
講演で印象に残っている言葉があります。
「一人あたりの醤油の年間消費量、日本はわずか1.9L。伝統的な方法で作られた醤油は「発酵食品」。自然本来が醸す旨みは健康的な身体を作ります。」
その言葉に共感し、正月までに家庭にあったキッ●ーマン、ヒガ●マルさんなどを廃棄し、殆どの醤油を大徳醤油などの天然醸造のものに変えました。
(左の3本を右の3本に変更!)
講演で知った「醤油の歴史」
講演を聞いて、ビックリしたのは、戦前までは全て醤油は天然醸造で高級品だったということ。
一升瓶1本の価格が一般的な散髪代と同じくらいなので、今の価値に換算すると5000円くらいでしょうか。
天然醸造とは、江戸時代より続く伝統的な醤油の作り方。小麦は挽いて、丸々とした大豆は蒸すところから製造がスタートする醤油づくりです。天然の麹菌などのため発酵熟成に時間が必要で最低1年〜2年はかかります。
だから高級品だし、集落毎に小さな醤油蔵がたくさんありました。もちろん、家庭でも味噌と同様、作っていたそうです。
ところが戦後の高度成長期になって、外国からの安い大豆だけでなく、大豆油を絞った後のかすを使う、工業的に作る方法が開発されました。スーパーの特売などで頻繁に使われるほど、早く、安価に作れる工業製品のようになってしまったのです。
その頃から小さな醤油蔵は淘汰され、今では1200軒。昭和初期にMaxになった1万軒から比べると1/10ほどになりました。
その中でも天然醸造で、それも国産の有機大豆を蒸して作るところから始めている醤油蔵は国内でも10軒しかなく、その1軒が、この「大徳醤油」です。
小さい蔵ならではの小回りの利く醤油蔵なので、最近は但馬の魚を使った魚醤にも挑戦されてます。
伝統の製法工程について細かく説明して頂き、何より、この製法を未来に繋いでいく役目をしっかり果たしたいというお話も響きました。
・・・ってことを今まで私は全く知らなんだのです。大徳醤油さんがそんなにすごい蔵だったとは。
大徳醤油に私が惹かれた3つのポイント
1)地元産や国内産の材料を使った醤油づくり
外国産大豆の場合、ポストハーベスト(収穫後の野菜そのものに撒く農薬)があり、そのまま製品に溶け込むなどの問題があります。国内の、それも厳正に管理された有機JAS商品だから安心です。
また、一部の商品は、主原料の大豆や小麦に地元但馬産を使って、地元の農家も支え、一緒に成長していこうという姿勢が嬉しいです。
(但馬産という文字が!)
2)専務の柔軟で若い感性が光る経営戦略
健康志向から醤油の消費量はどんどん減少しています。そんな中、若い人たちにこの天然醸造の醤油を使って欲しいという専務の経営戦略が光っています。
今まで醤油を意識してこなかったセグメントにも共感されて、売上が伸び、ブランド化に成功しています。
まずは、無印良品。無印で扱ってる商品だったら安心なので高くても私は買います。
(リンク先は浄慶さんのインタビュー記事)
そして、URBAN RESERCH DOORS。
浄慶さん曰く「デザイナーブランドの洋服の横に有機ドレッシングが販売されていると、オシャレだし安く見えるでしょ?」(笑) 都会に暮らす健康志向の高い層に展開しています。
有機JAS、魚醤などにも挑戦し、伝統を受け継ぎながら新しいことに次々と挑戦する大徳醤油さん。この見事なトンガリ具合。但馬の醤油蔵、という枠を飛び越え、今や日本にとっても大事な醤油蔵であるこの蔵を応援したいと思います。
3)味にうるさい方々のお墨付き
最終的には、このお墨付きが私の背中を押しました。
今回のサロンを主宰された中田社長は世界で活躍されているだけに大変なグルメ通。その方がイチ押しの醤油蔵ということだけでなく、京丹後市でこだわりの食材を扱うスーパー・いととめの社長さんも
「買うんだったら、特に、冷蔵保存しないといけない大徳さんのホンモノの醤油を買いなさい」
と勧めて下さいました。
その醤油とは、豊岡・日高のこだわり食材のスーパー・ガンピーと共同制作の「きあげ」です。
火入れもしないし無添加だし。菌や酵母がずっと生きてるってこと。
身体に良いものばかりを全国からセレクトして販売しているガンピーさんだったら、間違いない!
実際、その醤油を買って舐めてみると、味の奥深さが●ッコーマン生醤油と全然違いました。深い味わいってのかな、醤油の味の層って何層にもなってるのが、素材本来の旨みなんだと。
料理するのが何倍も楽しくなる醤油です。
*****
私の家は主人と二人暮らしで、一緒に食事を取るのは朝食だけ。齢50歳になろうかという夫婦なので、これからの身体のことも考えたら、身体に良いものをどんどん食べたいし、塩だけでなく、調味料も意識して使おうと思いました。
ホント、但馬ってホンモノの食材が豊かです。
地元の良質な食材を適正価格で販売することが大事ですが、さらに、スイス・ツェルマットのように、それら良質な特産品を普通に使う宿泊施設や飲食店が増えてくれば、農家、醤油蔵、販売先など地域全体がもっと「豊か」になりますね。
どこで売ってるの?
大徳醤油さんは直売所がなく、通販サイトか道の駅で販売されています。
ただし、今回ご紹介した完全冷蔵保存の「きあげ」は通販サイトでは売ってません〜!
そう、但馬に来ないと購入できない貴重な商品です。
但馬に旅行に来た帰りにお土産で買いたいという方は、
*道の駅 但馬蔵(兵庫県養父市・養父氷ノ山ICから車2分)
*道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市・春日豊岡道沿い)
*ガンピー(スーパー)(兵庫県豊岡市・神鍋ICから車3分・江原駅歩3分)
で売っているのはこの目で確認しましたので、クーラーボックスと氷を用意したうえで、是非お立ち寄り下さい。
お店データ
大徳醤油(だいとくしょうゆ)
1910年(明治43年)11月創業
〒667- 0102
兵庫県養父市十二所930-3
TEL 079-663-4008
Web 大徳醤油公式サイト
http://www.daitoku-soy.com/
*****
業界の裏事情まで講演の後、根掘り葉掘り教えて頂きました。
浄慶専務、ありがとうございました!
*****
参考文献 醤油製造技術の系統化調査 小栗朋之氏
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今井 ひろこ
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