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住民にジオパークが広がらない理由は、話し手側の説明の仕方に問題がある

   

昨日一昨日と自治体パンチラの話しをしてきましたが、ジオパークのことで気になることを耳にしたので、その話をさせて頂きます。

ようこそ!兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

「ジオパークを知ってどうなるの?」住民にジオパークが広がらない理由

真っ先に上がるのが「ジオパークを知ってどうなるの?」ということ。元々がカタカナだけに、訳わかんないものとして捉えがちになります。

ジオパークは、地元の貴重な地形地質を保全保護しながらそれを地域教育に活用したり、地域振興、観光振興に使うことで、持続可能な地域づくりをする活動&地域です。

最初にジオパークを「地質公園」と広報し、地元の岩石オタクが「ジオパーク=化石・岩石」とPRしたが為に、ジオパークをもう5−6年前から行っている先行地でも、住民サンには「訳分からん」が続いているのが現状です。

ジオパークではあちこちで出前講座やセミナーが行われており、私も全国各地のジオパークから講演に呼ばれることが増えました。

役場に勤めていた頃は、出前講座を年間30回程度こなしていました。その時に考えていたのは

「観客はジオパークに何を求めて聞きに来ているか?」

ということ。

ジオパークは、地元の貴重な地形地質を保全保護しながらそれを地域教育に活用したり、地域振興、観光振興に使うことで、持続可能な地域づくりをする活動&地域です。

と聞いただけでは、それをどう使えばいいのか、観客にはわかりません。

観客のお役に立てたり、観客が使いこなすことができるのか、そこまで掘り下げて伝えないと観客はジオパークを前向きに捉えてくれません。

プレゼンテーションとは「行動を起こさせること」がゴールなのだから。

ジオパークは立場によって活用方法が違う!

何でもそうなんですが、相手によって、同じ事でも伝える内容は変えますよね?ジオパークも同じです。

例えば小中学校であれば、ジオパークはふるさとの誇りを醸成する「ふるさと教育」として活用できます。新たな見どころがジオパークで発掘できたり、暮らしと大地の関わりなんて、社会の授業そのものです。

ジオパークフィールドノート制作者一同

(先生方と一緒に作った小学校のジオ教材)

大人対象の生涯教育であれば、ジオパークは地域への誇りを醸成すると共に、自分の知識をより深めて、心を豊かにします。

地元の知らなかった歴史、文化、見どころを、ジオパークで知るのが嬉しいという年配者、多いです。特にUターンで帰ってきた定年後の方に。

東三河ジオパーク

事業者なら、ジオパークで学んだことが商品開発の糸口になったり、商品ストーリーづくりに役に立つはずです。直接関わる商品が無くても、お客様との会話のネタになります。

スマホなどデジタルがインフラになっている時代だからこそ、お客様との対面会話は大切。長くなるほど店の滞在時間が増え、購入につながります。

宿の場合は親切に教えてくれたということで、楽天やじゃらんのクチコミ点数が1上がります。

ジオパークマスター

(事業者によるジオパーク活用例:ジオパークマスター)

観光客なら、今までのガイド雑誌に載っていない新たな視点、観光ポイントを知ることができるのがジオパークです。リピートを促すツールになります。

香美町ジオマップ

このように、伝える相手によって、ジオパークはとらえ方が変わります。

相手のウォンツを考えて伝えよう!

老人会に話すことと観光協会、商工会青年部に話すジオパーク活用法は違って当たり前で、それを毎回同じように話そうとすることに無理があるのです。

私の知り合いがちょっと前、地元事業者の集まりでジオパークの講演を聞いたそうなのですが、講師が何を言っているのか、どう使えば良いのかが全く分からないまま終わってしまい、会場からもクレームが上がったと聞きました。

講演会に来て下さる観客は『お土産』が欲しいのです。貴重な時間をこれに割いて来ているのだから。そうそう、お土産っていっても、サンプル配るとかじゃないですよ。当日、翌日からすぐに使えそうなことです。

それが相手のウォンツ、相手が欲していることです。

京丹後市講演会

ジオパークの出前講座やセミナーを依頼されたときに私が心がけていることは

◆主催者はどんな団体か?団体に合うジオパーク活用例は無いか?

◆ジオパークをどうしていきたいのか、主催者に聞く。

◆当日、どんな参加者が多いか、名簿で把握する。

◆話題のストックをいくつか用意し、当日現場で参加者を見て入れ替える。

◆必ずローカルネタを入れる。近ければ近いほど良い。(釈迦に説法にならないから)

四国西予GP講演会

これらをきちんと行っているから、「今井さんの話はとっても面白かった」「元気頂きました!」と感想を頂いたり、新聞各社が記事にして下さるのです。

中ア記事

(2017年2月17日中日新聞)

出前講座などの指導も行っています!

私は兵庫県立但馬技術大学校の非常勤講師の仕事でプレゼンテーション概論も20コマ持つなど、商工会や学校でプレゼンテーションのセミナーを行っています。来月は篠山で新入社員研修として行います。

専門員や大学教員は学会発表のように出前講座もしてしまいがち。自治体職員や専門員、大学教員がプレゼンテーションに長けているかというと、そうで無い方の方が正直多いです。

プレゼンテーションはスキル=技術です。学ばなければ上手くなりません。場数を増やせば良いということではありません。

ジオパークでどの様な講座をすればよいのか分からないジオパーク協議会職員や専門員、地域おこし協力隊員を対象に、プレゼン指導も行います。ご希望の方は下記までご連絡下さい。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - コムサポートオフィス, ジオパーク, ジオパーク講演会, プレゼンの極意

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