鹿談義しながら鹿ザンギを食らう釧路の夜 〜 畜養という考え方 〜
2017/03/01
地方へ講演に出ると楽しみなのは郷土料理♪ 先週行った釧路ではおよそ但馬では食べられない食材が続々と! その中で新鮮な発見があったので、お伝えします。
(雪が道路に凍りつく釧路ナイト。この夜も氷点下〜!)
ようこそ!兵庫県北部・豊岡市で宿専門で集客のアドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
釧路といえばザンギ?!鹿ザンギに鯨ザンギ!!
今回足を運んだお店は、セミナー参加者オススメの居酒屋「はたご家」さん。釧路の人なら知らない人はいないという超有名店。タクシーのおじさんもよくご存じでした。
5回釧路に来たことがある主人や地元の方によると、釧路に来たなら「ザンギ」らしいです。何か謝りながら食べるのか・・・?(それは懺悔やん!)
いやいや、酒によく合うものでした。美味しいものは脂肪と糖でできてますなぁ。。。
そう、唐揚げのことを釧路では「ザンギ」と言います。唐揚げは何でも「ザンギ」。
云われは、お店のメニュー帖に書いてありました。
釧路人のソウルフード「ザンギ(ザンタレ)」は、
昭和35年、釧路市の末広にある鳥料理専門店で
生まれたと言われています。
ザンギと言う名称は中国語で鶏の唐揚げを意味する
「ザーギー(炸鶏)」という言葉から来ているそうです。
これに「運(ン)」がつくようにと、
「ザンギ」と言う名称がつけられたと言う説が有力です。
(はたご家メニュー表から転載)
炉端というのも釧路が発祥なんですねー。ザンギの云われも炉端焼き発祥も、地元の人は皆知ってることかもしれないですが、敢えて載せておられるのも良いですね。
香住の宿や料理店で松葉ガニの名前やタグの云われを書いているところがあるでしょうか? 自分たちが知っていることは観光客も知ってる訳ではありませんね。気付いた方は早速取り組みましょう!
さて、そのザンギ、種類が多いんですが、ラインアップにビックリしました。
牡蠣ザンギや蛸ザンギはわかる。その横に「鹿ザンギ」「鯨のザンギ」と珍しい食材が普通に鳥ザンギとほぼ同じ価格です。
鯨も実は釧路では普通に捕る捕鯨の町。(南紀や高知しか知らなかったのですが)ごくごく普通に食べる食材だそうです。
私たちは、早速「鹿ザンギ」を注文。
唐揚げと同じようなサイズ。
食べてみて驚きました。中がレア〜!
ロースト鹿を食べてる感じなのに、全く臭みがありません。むしろあっさりして美味しかったです。
予約して18時までに入店すると
半額になるんですって(時期による)
店員さんに聞いたら「エゾシカ」でした。普段から当たり前に食べるのか聞いてみたら、その辺のスーパーでは売って無くて、猟師に譲ってもらったときに食べるそう。それでも鹿肉が珍しいとは思わないと云ってました。
畜養してから食用にする「阿寒グリーンファーム」のエゾ鹿肉
今回、セミナーに参加されていた方の中に、鹿肉を扱っているスーパー経営者が居られ、話を伺いました。
エゾ鹿肉はハンターが獲る場合と「阿寒グリーンファーム」のように畜養する場合とあるようです。
ハンターが獲ったり、罠猟で獲ると鹿にストレスがかかるため、肉の味は下がると云われています。しかし、阿寒グリーンファームの取り組みは壮大でスゴかったのです。
野生のエゾシカを阿寒湖半の山林で餌付けして囲いわなで生け捕りにし、広い森の中につくっった放牧場で牛のエサを与えて3ヶ月ほど慣らし、それを直ぐそばの食肉処理場でと畜。
北泉開発(株)の畜養の様子
(北海道中小企業家同友会 くしろ支部のWebから拝借)
だから臭みも硬さも無い、健康なお肉になるんだそうです。どおりで鹿ザンギが美味しいはずです!
畜養→と畜→製品化→販売まで一括管理しているからこそ、ブランド化でき経営も出来ているんですね。次回、釧路へ行くことがあれば見学させて頂きたいです。
ニホンジカでできないかなぁ〜畜養して商品化って。
この方法、ニホンジカでもできないかなぁ。。。
わたし、今年6月までですが2年任期で兵庫県環境審議会の委員をさせて頂いているのです。NPOたじま海の学校の副代表をしているからですが、担当が環境教育部会とまさかの鳥獣部会・・・!
鳥獣部会は県が管理するツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンザル、イノシシについて獣害問題を含めて話し合うのです。
今、兵庫県には鹿が13〜14万頭はいると云われていて、毎年4万5千頭を捕獲処理しています。特に但馬北部で爆発的に増えています。10年前まではほとんど居なかったのですが、県中部からエサとすみかを求めて北上し、その後、東西に広がっています。
そのため、車とぶつかる事故や農作物を荒らされる、木の皮が剥がされ木材としての価値が無くなる、森の下草が殆ど食い尽くされ、土砂崩れが頻発するといった今までに無い被害が出ています。
ただ獲るだけでなく食肉処理をして活用すべきと思いますが、それには幾つかの壁があるのです。
■ハンターが上手く獲らないと肉にストレス成分が周り、不味くなる。
■ハンターや猟師の担い手不足。(すぐに腕が上がる訳で無い)
■死んでから1時間以内に処理しないと臭みが回る。
■鹿肉の食肉処理場建設は億単位の金がかかる。
■販売ルートが殆ど無い
鹿が山の植物を食い尽くして自然減になるのを待つか、適正に間引き、美味しく処理をして商品化して付加価値を出すか。適正に間引いて商品化できれば、それこそ新たな郷土料理の具材になるでしょう。
山間地に放棄田も増え、牧場としても使える平らなところや山があります。それを今最新の技術で新たな牧場として但馬でもスタートできれば、地元の産業として「鹿業」に就こうと思う若い人たちも出てくるのでは無いでしょうか。
但馬は牛や蟹ではもう、独自化できなくなってきています。だからこそ、新たな山の幸=鳥獣にも目を向けて、オリジナリティーを出すことが、但馬の観光を再び盛り上げることになるのではと私は思っています。
ここで「そういうけど、イマイさん素人だから勝手なこと云えるんだ」という声と「それ、面白そうだからもう少し調べて但馬流にできるか考えてみようか」という声が上がりそう。
そういうことを凍てつく釧路の地で鹿談義しながら、夫婦で鹿ザンギを美味しく食べておりました。
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今井 ひろこ
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