ダメな観光コンサルほどSWOT分析をしたがる?!〜山田桂一郎先生の講演から
今日も1/23、24に豊岡市内で開催された山田桂一郎先生の講演での気づきをブログでお伝えします。何日引っ張るん?という声も聞こえてきそうですが・・・
こんばんは。兵庫県北部・豊岡市で宿専門で集客のアドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
講演会のクロージングは、まさにボーナストラック!
1/23の山陰海岸ジオパークビジネスフォーラムは2部構成で、前半は講演会、後半はワークショップでした。
(後半のワークショップの様子)
山田桂一郎先生の基調講演は90分弱と短かったため、後半のワークショップの時間を短めにして、伝えきれないところを後半のワークショップ後のクロージング時に講演の続きをお話しして頂きました。
実は、講演が終わってから、或いはワーク途中で帰った参加者もそこそこ居られたのです。しかし大雪の中、最後まで残ってくれてありがとうと云わんばかりに、先生はマーケティングの話をめーっちゃたくさんして下さいました。
途中で帰った方・・・ごめんなさいね。でも、残って下さった方は本当にラッキーですよね。何せ、マーケティングの肝心な部分は最後のクロージングでお話頂いたから♪
観光に関してはSWOT分析するほうが失敗する?!
山田桂一郎先生はよく、講演の中で現状をバッサリと切ります。「本音でお話しになる」という美しい日本語もありますが。(笑)
先生がひと言、バッサリ。
「観光に関してはSWOT分析するほうが失敗します!」
一瞬、会場が凍りついた感じになったのは云うまでもありません。
ちなみに、SWOT分析とは、
*S(Strength / 強み)
*W(Weakness / 弱み)
*O(Opportunity / 適切な機会)
*T(Threat / 脅威)
の4つの項目にさまざまな要素を分類した上で、
「どのように強みを活かすか」、「どのように弱みを克服するか。」
「どのように機会を利用するか」、「どのように脅威をとりのぞくか」
ということを考え、今後の戦略を考えるためのフレームワークのことです。
見たことある人、多いと思います。商品開発、企業分析、自己分析などでも使われる手法です。
観光でSWOT分析が(ある視点では)無意味な理由
先生曰く
観光のコンサルタントやシンクタンクが良いかダメかを決める目安にもなる。ダメなところほどすぐSWOT分析をする!
その理由をきちんと説明して下さいました。
つまり、SWOT分析を誰の立場で行うかが問題。お客様から見てのSWOT分析であれば十分理解できるけど、一般的には自分の立場(=事業者の立場)でしか考えられないでしょ?
商品開発は、プロダクトアウト(売り手が売りたいものを売る)じゃなくて、マーケットイン(買い手が欲するものを売る)が基本。
ターゲットの視点や考え方、そしてお客様が求めるものや価値を考えて、お客様から見てどうなのかを考えた観光のSWOT分析ならOKなんですって。
視点や立場によって、弱みにも強みにもなる「観光」
先生は拠点のスイス・ツェルマットで例え、
スイス・ツェルマットは、スイスの南の果てで首都ジュネーブからも遠く、高速交通網も無い。この状況を自分たちの立場でSWOT分析すると、首都から遠いというのは弱みになります。
しかし、ツェルマットに長期滞在、しかも静かなカーフリーリゾート(ガソリン車が無く、電気自動車と馬車だけの村)したいお客様なら、『静かな空間で長期滞在したい人』という視点で見たら、この『僻地で静かな環境』は強みです。
事業者側から売りたいもの(例:温泉を売る、蟹を売る)があったとしても、最大限その価値を認め、さらにもっと良いものが欲しいと思う方々に対して、どう価値を引き上げるか、そこを考えるのはマーケットインの発想です。
商品開発、宿のプランを作るときに、このマーケットインの考え方と付加価値のつけ方がとても大事になってきます。今年のコムサポミニセミナー(少人数制セミナー)でも、このマーケットインの考え方を習慣化させるプログラムを開発したいと考えています。乞うご期待!
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地方の小さな宿と店の集客サポート
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今井 ひろこ


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