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カニさんマークの瓦とは?!☆石州瓦のお話を聞いてきました

   

昨日は竹野の北前館で、石州瓦(せきしゅうがわら)の講演を伺ってきました。

とっても地味な趣味だとお思いでしょうけど、

全国各地へ講演に行くと、瓦と石碑、墓に注目してしまう私です。

P1315684 石碑

熊本県天草地方の石碑は
金ピカ文字が当たり前。

兵庫県北部豊岡市で小さな店と宿の集客アドバイザー時々観光ガイドの今井ひろこです。当ブログにお越し頂きありがとうございます。

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石州瓦というのは、島根県石見地方を中心に生産している赤瓦のこと。

IMG_4836石州瓦

有名なのは、島根県浜田市のグラントワ。20万枚以上の石州瓦が使われています。

IMG_6495 グラントワ

その黒バージョンが、私の暮らす但馬地域に多いのです。

それを観光ガイド案内すると、結構ウケがいいんです♪

なぜだと思いますか?

軒瓦(のきがわら)のデザインに注目。

石州黒瓦 軒瓦

さすがカニの町だねー!って、盛り上がるんです。

でも、ちゃうんです・・・カニと。(爆)

「万十唐草」といい、昭和〜平成にかけて、石州瓦の各メーカーで

統一したブランドマークです。

なぜ、私が講演会を聞きに行ったか、ですが。。。

昨日は、石州瓦を研究する島根県の高校教諭:阿部先生(地理専門)が講演。

阿部先生から、以前に私が書いた瓦のブログを読んで問い合わせがあったので、

ネット上で面識がありましたが、今回初めてリアルにお会いしました。

瓦フェチがプンプンする、面白い先生でした。

「石州瓦あるある」がたくさん聞けて、新たなガイドネタができるのでは?

そんな期待を裏切らない、楽しい講義でした。

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講演された、島根県立浜田高校の阿部志朗先生(右)

石州瓦ってどうして瓦の一流ブランドなの?

石州瓦は赤い瓦と黒い瓦の大きく2種類あります。

赤い瓦は、来待石を釉薬の原料として使っています。

一方の黒い瓦は、浜の砂鉄を釉薬の一部として使っています。

石州瓦のルーツは石見焼(いわみやき)の壺(「はんど」)。

yu_01

塩を入れても、水を入れても壊れない良い品質の壺なので、

その技術を瓦に応用したと言われています。

普通、瓦は瓦だけで焼くものですが、

石州瓦は壺と一緒に登り窯で焼き上げ、

北前船で日本海側の各地へと運ばれました。

さきほどのカニさんマークですが、

登り窯で焼いていた江戸〜昭和初期までは、窯毎のマークがあり、

昨日の会場に、明治時代の石州瓦が展示されていました。

IMG_6956石州瓦

カニさんとは微妙に違う
明治大正時代の石州瓦

瓦ってどこでつくっても同じと思うでしょ?

違うんですよー。そこがミソ。

石州瓦の特徴は1300度の高温で焼き上げ、雪や凍てつく寒さに強い。

それよりも低い温度で焼く太平洋側の淡路の瓦、愛知の三州瓦との違いです。

燃料の分だけお値段高く、物持ちも日本海側では数倍イイ。

一流ブランドの石州瓦の強みです。

逆に物持ち良すぎて、買い換えが50年後だそうで、

リピートするとき、本人は生きているかどうか。。。むむ。

石州瓦や石見焼はどこまで流通したのでしょう?

さて、島根県でつくった石州瓦や石見焼が江戸〜明治大正にかけて

どこまで運ばれたのか?を先生は研究して居られました。

北端は北海道の小樽で明治大正時代の石州瓦をつかった家を発見。

夕張では石見焼がゴロゴロあったそうです。

一方、九州にも佐賀県と長崎県の県境の村に、オール石州瓦という集落も。

何でも、江戸時代、庄屋さんが石州瓦が寒さと雪に強いとウワサで聞き、

唐津まで船で運んで、その後馬車で運んで、周辺の家も石州瓦にしたとか。

四国・愛媛県西予市(ここもジオパーク♪)にもあるそうです。

いずれも、四国、九州の比較的雪の多い地域の話です。

IMG_6973石州瓦

海外も石州瓦は使われていました。例えば韓国の鬱陵島。

日本人も戦前住んでましたから、瓦の他にも石見焼も多く、

辛味噌は水漏れしない石見焼、キムチは通気性が必要なので韓国製を

現地では使い分けています。サハリンでは瓦は見つからなかったけど、

石見焼の壺のかけらは見つかったとか。

いい品質だからこそ、あちこちへ流通したんでしょうね!

瓦って産地で特徴があるんですって。

瓦も産地によって特徴があり、

◆おもて面ツルツル、裏面は土が見えるのが石州瓦

◆塗られていないザラザラの瓦は播州瓦

◆表も裏も両方釉薬がぬられているのは北陸の赤瓦

IMG_6985石州瓦

奥が深いです!

ちなみに、今回会場となった竹野には、4つの産地の瓦が見つかったとか。

◆石州瓦(赤・黒の釉薬瓦)
◆出雲のいぶし瓦(左桟瓦)
◆越前系の赤瓦
◆姫路・船津のいぶし瓦(播州瓦)→姫路城の瓦にも使われてる♪

IMG_6987石州瓦

出石に近く海運業が盛んだった竹野ならではのトリビアですね。

私も竹野をまちあるきして探してみようと思います。

日本海側を旅することがあれば、ぜひ屋根にも注目下さい♪

 

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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