カニさんマークの瓦とは?!☆石州瓦のお話を聞いてきました
昨日は竹野の北前館で、石州瓦(せきしゅうがわら)の講演を伺ってきました。
とっても地味な趣味だとお思いでしょうけど、
全国各地へ講演に行くと、瓦と石碑、墓に注目してしまう私です。
熊本県天草地方の石碑は
金ピカ文字が当たり前。
兵庫県北部豊岡市で小さな店と宿の集客アドバイザー時々観光ガイドの今井ひろこです。当ブログにお越し頂きありがとうございます。
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石州瓦というのは、島根県石見地方を中心に生産している赤瓦のこと。
有名なのは、島根県浜田市のグラントワ。20万枚以上の石州瓦が使われています。
その黒バージョンが、私の暮らす但馬地域に多いのです。
それを観光ガイド案内すると、結構ウケがいいんです♪
なぜだと思いますか?
軒瓦(のきがわら)のデザインに注目。
さすがカニの町だねー!って、盛り上がるんです。
でも、ちゃうんです・・・カニと。(爆)
「万十唐草」といい、昭和〜平成にかけて、石州瓦の各メーカーで
統一したブランドマークです。
なぜ、私が講演会を聞きに行ったか、ですが。。。
昨日は、石州瓦を研究する島根県の高校教諭:阿部先生(地理専門)が講演。
阿部先生から、以前に私が書いた瓦のブログを読んで問い合わせがあったので、
ネット上で面識がありましたが、今回初めてリアルにお会いしました。
瓦フェチがプンプンする、面白い先生でした。
「石州瓦あるある」がたくさん聞けて、新たなガイドネタができるのでは?
そんな期待を裏切らない、楽しい講義でした。
講演された、島根県立浜田高校の阿部志朗先生(右)
石州瓦ってどうして瓦の一流ブランドなの?
石州瓦は赤い瓦と黒い瓦の大きく2種類あります。
赤い瓦は、来待石を釉薬の原料として使っています。
一方の黒い瓦は、浜の砂鉄を釉薬の一部として使っています。
石州瓦のルーツは石見焼(いわみやき)の壺(「はんど」)。
塩を入れても、水を入れても壊れない良い品質の壺なので、
その技術を瓦に応用したと言われています。
普通、瓦は瓦だけで焼くものですが、
石州瓦は壺と一緒に登り窯で焼き上げ、
北前船で日本海側の各地へと運ばれました。
さきほどのカニさんマークですが、
登り窯で焼いていた江戸〜昭和初期までは、窯毎のマークがあり、
昨日の会場に、明治時代の石州瓦が展示されていました。
カニさんとは微妙に違う
明治大正時代の石州瓦
瓦ってどこでつくっても同じと思うでしょ?
違うんですよー。そこがミソ。
石州瓦の特徴は1300度の高温で焼き上げ、雪や凍てつく寒さに強い。
それよりも低い温度で焼く太平洋側の淡路の瓦、愛知の三州瓦との違いです。
燃料の分だけお値段高く、物持ちも日本海側では数倍イイ。
一流ブランドの石州瓦の強みです。
逆に物持ち良すぎて、買い換えが50年後だそうで、
リピートするとき、本人は生きているかどうか。。。むむ。
石州瓦や石見焼はどこまで流通したのでしょう?
さて、島根県でつくった石州瓦や石見焼が江戸〜明治大正にかけて
どこまで運ばれたのか?を先生は研究して居られました。
北端は北海道の小樽で明治大正時代の石州瓦をつかった家を発見。
夕張では石見焼がゴロゴロあったそうです。
一方、九州にも佐賀県と長崎県の県境の村に、オール石州瓦という集落も。
何でも、江戸時代、庄屋さんが石州瓦が寒さと雪に強いとウワサで聞き、
唐津まで船で運んで、その後馬車で運んで、周辺の家も石州瓦にしたとか。
四国・愛媛県西予市(ここもジオパーク♪)にもあるそうです。
いずれも、四国、九州の比較的雪の多い地域の話です。
海外も石州瓦は使われていました。例えば韓国の鬱陵島。
日本人も戦前住んでましたから、瓦の他にも石見焼も多く、
辛味噌は水漏れしない石見焼、キムチは通気性が必要なので韓国製を
現地では使い分けています。サハリンでは瓦は見つからなかったけど、
石見焼の壺のかけらは見つかったとか。
いい品質だからこそ、あちこちへ流通したんでしょうね!
瓦って産地で特徴があるんですって。
瓦も産地によって特徴があり、
◆おもて面ツルツル、裏面は土が見えるのが石州瓦
◆塗られていないザラザラの瓦は播州瓦
◆表も裏も両方釉薬がぬられているのは北陸の赤瓦
奥が深いです!
ちなみに、今回会場となった竹野には、4つの産地の瓦が見つかったとか。
◆石州瓦(赤・黒の釉薬瓦)
◆出雲のいぶし瓦(左桟瓦)
◆越前系の赤瓦
◆姫路・船津のいぶし瓦(播州瓦)→姫路城の瓦にも使われてる♪
出石に近く海運業が盛んだった竹野ならではのトリビアですね。
私も竹野をまちあるきして探してみようと思います。
日本海側を旅することがあれば、ぜひ屋根にも注目下さい♪
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コムサポートオフィス 代表 今井ひろこ
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今井 ひろこ
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