「安くしないとお客様は喜ばない」は店側の思い込み!
今朝は箱根駅伝が行われていますが、ジオパーク好きな私は、NHKのブラタモリ再放送を見ています。街の形成と地形の関係って深く楽しいですね!
おはようございます。兵庫県北部・豊岡市で宿専門で集客のアドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越し頂き、ありがとうございます。
高騰を続ける松葉ガニ・・・どこまで?
兵庫県北部・但馬地方で水揚げされる松葉ガニ【ズワイガニ(Chionoecetes opilio / snow crab)】の漁場は、隠岐の島沖と兵庫県沖の2箇所あります。いずれも明治〜大正時代から漁獲を続けており、年々、漁獲高は横ばいか減っています。その上、近年の気象変動の激しさが海況悪化を招き、特に、丹後半島沖、兵庫沖へ出る小型船などは出漁できない日が増えています。
供給がその状態にも関わらず、北陸新幹線の延伸で、今までタラバガニが主流だった関東圏でもズワイガニ人気が出てきているようで、需要が増えています。そのため、年々、松葉ガニの値段は高騰を続け、年末最終の競り値では、タグ付きの最も小さいサイズのズワイガニ(「箱小」というサイズ)で1万円でした。
お客様に出すと「こんなヒョロヒョロっとしたのが?」と言われる程の小ささですが、仲買人を経由し宿に下ろすと1.3-1.5万円、中間業者を挟んで大阪の卸売市場に行き、店頭に並んだら倍の2万円以上になります。
割と上位ランクのカニになると、昨年末、テレビ中継していたときの価格は、26日前後の競りで落としたものが2万4千円でした。たった1匹のカニで、ですよ。
近年のカニの相場については、今朝、宿屋を営む私の主人がブログに書いていますので、そちらをご覧下さい。(クリックするとリンク先へ飛びます)
今後、カニ(松葉ガニ)の相場ってどうなる?今、どうなってる?
活け&海域にこだわらなければ、比較的安いズワイガニ。
一方、北海道で水揚げされた生きたズワイガニは当地の半値以下で取引されていますし、スーパーに並んでいるカナダ産やロシア産の冷凍ズワイガニは同じopirio(オピリオ)種ですが、ちょっと高くなっている程度です。楽天でも「カニ」と検索すれば美味しそうな蟹の写真が並んでいますよね。
このことは「タグ付きの生きたズワイガニ」にこだわらなければ、家庭や都市部のカニ専門店でズワイガニを比較的安く食べられることを意味します。そうして、家庭や都市部で安価にカニを食べることができるのに、わざわざ香住へ来て食べたいお客様のウォンツ(欲求)とは何なのでしょう?
お客様は「安さ」を求めていない
私はそこに「香住は安いから」を求めていないような気がしてなりません。通販でカニを買って食べるのが最も安く付きますし。
元々、地元の蟹はセコガニ(メスのズワイガニ)も含めて安かったのでしょう。私の主人も「セコガニはおやつ」で食べていたと豪語しているくらいですから。地元の松葉ガニの値段がバブル期、一気に高騰した頃に、「カニは安くないとダメなのだ」と外国産冷凍ズワイガニを導入するようになり、地元の松葉ガニと併用し価格を何とか据え置いてきたと私は推測しています。だけど、それもこの高騰で宿も利益が圧迫され、経営が辛くなってきています。
私の主人がブログで
「安くしないとお客様は来ない」「安くしないとお客様は喜ばない」は、売り手側からの思い込みです。
と書いていました。
安くしただけではお客様、お越しくださらなくなってきています。何より、安くしたことで事業者自体の体力をすり減らしてしまいましたよね?その行き着いたところがフラッシュマーケティング(グルーポンやポンパレ)だったんじゃないかと思います。
安売りで買った商品に満足感はなく、お客様も幸せに思っていない。その商品やサービスに対する感謝を持たない、持てない。。。
当地には、まだまだ「お客様は安くすることが悦びである」と勘違いしている事業者が少なくありません。事業者自身が商品価値よりも安く買うことに悦びを感じる性格から、思い込みでそうしてしまうのです。あるいは昔、カニが安かった頃の価値でしか未だにカニを見ることができず、どれだけ高くで仕入れたとしても、高く売れないわと安くしてしまうのかもしれません。。。悲しいかな。
事業者ご自身が安物買いなのかもしれません。事業者の価値観で商売をするからこそ、価値に見合った値段で売ることが心苦しく、モノが売れない、安くでしか売れなくなります。
お客様のウォンツを真剣に調べているか?
せっかく商売をするのであれば、商品価値に見合い、利益がでる価格で販売しなければ、事業者は経営を続けることができません。そこに、「安いことが価値」なんて思想は入る余地はありません!結果として価格競争になり、価値よりも遙かに安値で販売し、経営者の首を絞めてしまいます。
先ほども申し上げたように、家で友達や家族と食べるのではなく、なぜわざわざ香住へ来てカニを食べるのか?そのお客様のウォンツ(欲求)に「安い」というファクターでなく、「カニを食べる」という行為以外の何か幸せなこと、楽しいこと、ホッとすることを新たな価値として示すことができる宿だけが生き残っていく、と私は思っています。
ただし、その価値は残念ながら今までの一元的な「産地だから安い」ではなく、宿それぞれに異なっています。それを早く見つけましょう。それにはお客様へ直接聞くのが最も近道です。それが出来なければ、お客様の声やクチコミ、仲居との話の中から掴みましょう。
(お客様の声シート)
世の中を俯瞰して、自分の売る商品・サービスの価値を改めて見つめ直す努力を今年はしていきましょう!松葉ガニに頼らない、宿独自の新たな強みを見つけるお手伝いを、今年も引き続き、当事務所で行っていきます。随時承っていますので、お気軽に相談下さい。
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今井 ひろこ


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