地球惑星科学連合大会2014に参加して（４）

2014/05/05

活動がジリ貧なジオパークや、これからジオパークを目指すところは絶対に視察に行ってほしいです、日本国内にある世界ジオパークへ。

ジオパーク視察の必要性

推進協議会事務局職員の視察も大事ですが、むしろ観光協会や商工会、ガイドさん、商店主さんなど実際に地域で動く人たちが、先行地のジオパークに行って体験することで、感じるものがとても多いと思います。それがあるのとないのとで、ジオパーク活動を続けるモチベーションが全然違うと思います。

糸魚川ジオパーク視察の様子（2011年7月）

私がジオパーク推進員になったころ、町内でのジオパークに対する認識はひどいもんでした。知名度の低さは致命的。しかし、糸魚川ジオパークへ1泊2日の視察旅行に「香美町ジオパーク推進協議会（役場職員＋商工会+観光協会+三姉妹船＋漁協などで構成）」で行ったときに、スーパーガイドの久保さんを始め、糸魚川ジオパークガイドチームと糸魚川ジオパーク担当職員チームの素晴らしい対応や市内の”ジオパーク色”の濃さなどを見て、参加者が一気に「ジオパークやろう！」って、やる気を出してくれました。

右端が日本で一番有名なジオガイドの久保さん

ジオパークはネットワーク

どこの地区も参考にされたであろう、ジオパークのガイドラインは、ジオパークを審査する日本ジオパーク委員会HPに記載されています。そこには世界ジオパークの基準が明記されているのですが、日本もさほど変わらないのでは、と私は思っています。その上で、なのですが、「ジオパークはネットワーク」ということを意識しているのか？？と考えさせられるシーンが見受けられました。

来年もし日本ジオパークへ加盟申請をする地域がこれを見ていたら、応援団は居てもOKですが、せめて同じく申請しているジオパークがどのような活動をされているのか、またどういう質問を受けているのか、参加した応援団全員が聞いて欲しいです。私でもめっちゃ勉強になって、これは帰ったらすぐに対策を、と思うほどです。

応援団と聞いてすぐに思い出すのが浦和レッズ。旦那がサポーターしてます。

山陰海岸ジオパークがギリシャのレスボスジオパークと姉妹提携しているように、世界ジオパークの場合は姉妹提携をしているようです。しかし、日本ジオパーク内ではあまりそういうのを聞きません。なんでかなぁと思ったのですが、ネットワーク活動だから、つまり全部のジオパークが兄弟姉妹だから、と思います。

今まで日本にある33ジオパーク中17ジオパークに講演に行き、遊びに行ったところも含めると18ジオパークに行ってて、知り合いも増えました。分らないことを相談したり、一緒にガイドコースを歩いたりして、困った時に助け合ったり、うまく行ったらアイデアを共有する活動こそが、このジオパークネットワークの良さであり、他のエコパークや世界遺産とは違って、自慢のできるシステムですね。このつながりを大切にしていきたいです。

当日行われたジオパーク関係者の交流会
まるでラッシュアワー、大盛況！

この記事を書いた人
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今井ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するＮＰＯを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。