地域で出る杭となるトンガッた若者を集めるには?
2014/12/09
今回の大交流会において昨日もお話したとおり、他の市町の方々から「こんなポジティブな交流会を開催している事自体がすごい!」「こんなに行動的な若者をどうやって集めるの?」「香美町にはこんなにやる気のある若者が多いの?」などの質問を受けました。若者の減少、人口減少は香美町も例外ではありません。。。むしろお隣の豊岡市よりも危機的状況です。では何故今、これだけの若者が集めることができるようになったのでしょうか・・・?
香美町はどうやって活動的な若者を集めていったか
今、振り返ってみると、私の中では、この交流会を継続させるきっかけとなった出来事がありました。それは、30−40代の若者主体で2012年3月にシンポジウム「ジオパークで地域を元気に」を開催したことです。
例えば、若者の団体って色々ありますよね。香美町の場合、「商工会青年部」や「JC(青年会議所)」がありました。あと、市町村合併を行った時にできた若者まちづくり懇話会というのがあります。そういった様々な団体は、それぞれが頑張って活動していますが、横のつながりがあまりなかったようなのです。私の旦那が商工会青年部で活動していた時代は、JCと良い意味でライバル関係にあったと言っていました。若者の人口が減ってしまった今、お互いをライバル視して切磋琢磨するなんて悠長な時代ではなくなりました。だったら、全員同じ土俵にあげて活動を発表して頂こう、と思ったんです。だって、町を元気にするために活動をしているのに、そのことについて伝える手段が新聞の記事だけ、でしたから。町の特産品や見どころ、自然・景色を活用して町を元気にしたいと活動することこそ、すべてジオパークに通じると思ったからです。
若者だけで開催することに対する反発
もう時効だからしゃべっちゃいますね。このシンポジウムは私が初ディレクションして開催にこぎつけたものですが、当時、若者だけでシンポジウムを開催することに反発をたくさん受けました。特に50−60代のシニアの方々、役場の方々などから。「パネルディスカッションには観光協会の○○会長をだせ」「ジオパークシンポジウムだったら推進協議会の□□会長にも喋らせろ」などなど・・・それらに対して、私は全てNOと言いました。とにかく30−40代の若者だけで発表してもらうこと。権威ある会長の話よりも、実働部隊として活動し、次世代のリーダー候補となる若い方々に話してほしい。私たち夫婦が最年長ぐらいでちょうどいい。そんな風に考えていました。
持続的な事業を
それまでの各種団体の常識では1年毎に開催する事業を決めていました。だから、事業終了後はやりっ放しで継続性がありません。地域によっては若者の事業は「火をつけておいて放り出す」なんて言われているのも耳にすることがあります。今回、若者中心で登壇させたのは「発言に責任をもってもらい、その後も継続して発表した事業を行うこと」を町民の前で宣言してほしかったのです。実際、この時に発表された事業は全てその場限りのものではなく、今でも継続して行っています。
当日は発表団体等からの部員出席も多く、全町から130名余りの住民が来場して下さいました。来賓としてお越し頂いた当時の山陰海岸ジオパーク事務局長は「こんなすばらしいシンポジウムを本当によくやってくれた。とても元気をもらいました!」とおっしゃって下さった言葉が忘れられません。
発言に責任を持ち、事業は継続して行うこと。このことを宣言したことによる責任感と一体感。この日が香美町の若者による地域活性化のターニングポイントになったのだと思います。
このシンポジウムを行うことを決めたのが2011年の秋ぐらいでした。3月にそれをするためには、それまでに一度、何かの形で登壇者やスタッフ参加者が一同に会する機会が私は必要と考え、参加団体の方々などにお願いして「GEOBar大交流会」と銘打って、顔合わせ兼交流会をいろんな方々のご協力のもと開催されました。それが先日の大交流会の第一回目だったのでした。

今井 ひろこ


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