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ジオパークをひと言でいうなら?自身の講演スライドから(1)

      2014/05/26

ジオパークをひと言でいうなら?

ジオパークに携わる方が必ず壁にぶち当たる、この命題。私もジオパーク推進補助員になってから最初の壁でした。簡単に何といえば通じるのだろう・・・例えば、国立公園は、

日本を代表するすぐれた自然の風景地を保護するために開発等の人為を制限するとともに、風景の観賞などの自然と親しむ利用がしやすいように、必要な情報の提供や利用施設を整備しているところです。

世界遺産は、

世界中の人が協力して守ろう。守る必要がある。と定められた場所や建物のことです。

子供向けのHPで記載されていました。(わかりやすい!!)

ところが、当時頂いた資料のひとつ「山陰海岸ジオパーク構想」のパンフレット(当時のものが残っていたのがありがたい!)では、

ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園です。地質遺産保全と地球科学普及に利用し、地質遺産を観光の対象とするジオツーリズムを通じて地域社会の活性化を目指しており、ユネスコの支援のもと、主に欧州や中国で積極的に取り組まれています。

「断崖や滝など、岩でできた見どころを保存し、それをPRして観光客に見てもらおう、それを地域活性化に使うことなのか?ツーリズムって言っているから観光中心か?」と思いましたが、それをどうやって一般の住民の方に説明したらよいのか、悩みに悩みました。インターネットで検索しても難しい説明しか出てきません。さらに「ジオパーク」と入力したら「スタジオパーク」が上位に出る時代でした。

NHKスタジオパーク(Wikiより)
NHKスタジオパーク

ひと言とは何文字か?とググってみたら、『会話や状況にもよるが意味が伝わる最低限の言葉量』と書いてありました。確かに当時は「地質公園」や「大地の公園」とほぼ直訳した言葉が主流でしたが、その言葉の説明をさらに付け加えないといけないので、それはひと言では言い表せないことになります。どう表現すればいいのか・・・

そんな私に2つの救いの手が現れました。まずは、時間を割いて来て下さった老人会の方です。出前講座の時に「私は観光業じゃないので、ジオパークは関係ないんだけど、とりあえず話を聞きに来た。」という方が居られたことが、私に気づきを与えてくれました。観光客というものは、地域住民にとってみれば観光業の方やそれに付随する方以外には関係ない、むしろゴミを落としていくだけの厄介な存在・・・。わかりやすい観光振興だけにジオパークのターゲットを持ってくると、一般住民はそっぽ向きます。ほんま、目から鱗でした!

そして、2つ目は、大阪の実家へ里帰りをしていた時の大阪府の広報紙。そこで目にしたのが「大阪ミュージアム構想」の一面広告でした。大阪のまち全体をミュージアムに見立てて、大阪の魅力を内外に発信する事業で、非常にわかりやすいタイトルですよね。

大阪ミュージアム構想
大阪ミュージアム構想HP

そっか、この言葉を使ってみよう!一般の方も関係があると思わせるフレーズにしよう!そうしたら、わかりやすく説明できるかもしれないと思って平成22年10月に作ったのが、このスライドでした。

平成22年講演スライド・大地と暮らしの博物館
フィールドミュージアムスライド
平成22年当時の私のスライドから。
「大地と暮らしのフィールドミュージアム」とキャッチコピーを作りました。

そして翌年、香美町で制作したジオパークDVDの題名がこれ。
香美町まるごとフィールドミュージアムDVD
現在も活用されている香美町ジオパークDVD

実はこの後、日本にはエコミュージアムユネスコエコパークというものがあるということを知り、ジオパークを含め、国立公園や世界遺産の他にもいろんな取り組みがあることを知りましたが、とどのつまりは「保護保全して活用する」ことの形を変えているだけ、と思っていました。

実はジオパークにはそんな表面だけでない、もっと深い想いがあることを一年後、知ることとなります。続きは明日お話します。

ジオパークをひと言で言うなら?(2)

 
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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークとは?

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