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小さな宿がポンパレやグルーポンで販売してはいけない理由

      2016/06/02

香住は今朝も爽やかな朝を迎えましたね。朝晩涼しい日々もあとわずか?!

おはようございます。兵庫県北部・豊岡市で小さな宿と店の集客アドバイザー時々観光ガイドの今井ひろこです。当ブログへお越し頂き、ありがとうございます!

主人の宿もポンパレで販売した経験があった?!

先日、民宿かどやを営む主人と話をしていた時に、衝撃的な話を聞きました。

「実は、かどやもポンパレで50%オフの宿泊券を販売したことがある」

えーーーーっ!マジでー!

安売りはいけないって言っていた主人がそんなことしてたなんて・・・。

ことの顛末を詳しく聞くと・・・

アメリカ発祥のグルーポン(半額クーポンサイト)が日本に上陸し、その対抗馬として純国産リクルートの運営する「ポンパレ」が登場しました。当初、ポンパレは業界2番手で、同じ系列であるじゃらんネットに参画している宿泊施設に送客手数料無料のお試し期間を設けました。

当初の半額クーポンサイトは「広告料」という意味合いがありました。半額で販売することで、ネット上でのアクセス数を集めて広告的な役割を果たす、という意味です。今思うと、なかなか広告が伝わらなくなってきたことに対する劇薬でした。

実際に出してみると、お客様の反響はすごく、お客様の質も良かったそうです。当時は新しいビジネスモデルに飛びついたネットリテラシーの高いお客様が多かったとのこと。しかし、主人はポンパレがスタートした当初の、手数料無料時に2回出稿しただけで、やめたそうです。

理由は常連のお客様から

「次、ポンパレに出すのはいつですか?」

と電話がかかってきて、プラスの広告にはならないと判断したためです。何より、標準価格でお越しいただいているお客様にこれ以上失礼なことはない、ということに気づいたのです。

もちろん、この手の劇薬的広告は、出し続けてしまうと販売価格の妥当性が失われてしまうからです。

半額クーポンサイトに出し続けるとどうなるか

実は先日、半額クーポンサイトに出し続けているお宿さんから相談を受けました。

確かに売れるし平日でもお客様は来る。だけど、宿に利益は全く残らない。その上お客様の質が悪く、クチコミもどんどん悪くなってくる、と。宿に残るのは心労と疲れだけって・・・

話を聞けば聞くほど、私、半額クーポンサイトで小さな宿が宿泊プランを販売したらアカンという確信を持ちました。

宿側もお客様も疑心暗鬼

大きなホテルの場合、フロントスタッフはお客様がいくらの金額で宿泊されているかわかりません。小さな宿の場合、クーポンサイトに販売を決めるのも接客するのもオーナーや女将です。「あぁ、このお客様は半額で宿泊するお客様だ」と気にしないようにしていても、ついつい顔や態度に出てしまうかもしれません。

一方、お客様も「半額で宿泊しているのだから、サービスが悪いかもしれない」という不安を抱えての来館となります。

矛盾するようなことを言いますが、半額で宿泊のお客様にこそ、通常のお客様の2倍気を使って接客しないとクレームになる可能性が高いのです。

これって、買う側も売る側も悲劇です。半額クーポンサイトって小さな宿、小規模店舗ほど誰も幸せにならないビジネスモデルなのです。

クチコミはどんどん悪くなります!

半額クーポンを出し続けると、「安売り」が好きなお客様が集まってきます。つまりそれはあなたの宿が好きなのではなく「安売り」が好きなのです。「自分がどれだけ得をしたか」に敏感ですので、その分、クチコミ評価に対しても辛辣になります。

利益の出ない商売はどんどん疲弊していき、接客がおざなりになればなるほど「対応が悪い」というお叱りをいただくことに。

常連様に対する裏切り

クーポンを見つけた新規のお客様は半額、常連様は通常価格。これっておかしくありませんか?いつも利用してくださる常連様こそ大切にしなければなりません。

例えば、毎年お越し下さるお客様に対してハガキ等で閑散期に「感謝宿泊プラン」といった感じで半額料金でのご宿泊を提案してみてはいかがでしょうか?常連様はあなたのお宿が好きなお客様です。いつもの繁忙期以外に閑散期にも泊まりに来て頂き、年に複数回お越し下さるような関係性を築いていくのです。同じ半額にするのであれば、大切なお客様にこそすべきです。

最近、販売価格を高くするために、無理やり品数を増やして高額プランを作った上で半額にする、というちょっと、宿泊サイトをじっくり見ればすぐにバレてしまうような手法のプランも見受けます。

ネットでの販売はネットに長けた人が見ます。昨今、ネットユーザーのネットリテラシーはどんどん高くなっていっていますので、お客様を騙すような価格設定をすると、結果的に宿の評判を落としてしまうことになります。安くして評判を落とす悪循環です。

負のスパイラルから立ち直るために

「半額クーポンサイトを止めたら、お客様が来なくなるかもって・・・」

先述の宿の方が肩を落としておっしゃった言葉です。

自分の宿の経営に自信が持てなくなる、こんな無慈悲なことから立ち直るには、まず現状を知り、経営者自身の今までの考え方を変えて行動していくほかありません。「世間が不景気だからお客様が来ない」「海水浴が人気無いから来ない」「スキーが低迷しているからお客様が来ない」のではなく、お客様のニーズに応え切れてなかっただけなのです。

クチコミの点数が2点、3点台の宿がお客様から支持される4点台に持ち上げるには最低でも1年以上かかります。その1年の間に、自分の宿の強み、地域の強みを再認識すると共に、ターゲット層を絞って、自分の宿ができる最大限のパフォーマンスをすることと、お客様への感謝の気持ちを笑顔に変えること。愚直に続けていくことで、離れたお客様も戻ってきてくれるはずです。

続き:小さな宿で薄利多売という言葉は成立しません!☆ポンパレの悲劇

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 宿泊施設の支援, 相談事例

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