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日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」認定記念シンポジウムを聞いて 〜ジオパークと共通する課題とは?

   

先日、姫路市で開催された日本遺産認定記念シンポジウムを聴講してきました。会場の雰囲気や530人の観客に熱気ムンムン!

今日は日本遺産シンポジウムを聞いて、その様子と、ジオパークと比較して感じたことをブログでお話しします。

こんにちは。兵庫県北部・豊岡市で小さな宿&店の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」とは?

銀の馬車道・鉱石の道」とは、但馬南部・生野銀山をはじめとする鉱山跡の近代遺産と、その銀を馬車で姫路・飾磨湊までの73kmを運んだとされる道路(今の国道312号線かな?)が明治期の近代工業遺産として昨年4月に日本遺産に認定されました。

単独市町村で認定されるケースが多いようですが、ここは、姫路市、福崎町、神河町、市川町、朝来市、養父市の3市3町で構成され、日本遺産では珍しいそうです。ちなみに構成市町数は山陰海岸ジオパークと同じです。

「銀の馬車道・鉱石の道」って名前が長いなぁと思っていたら、実はそれぞれ違う道を指すらしく、1本化できなかったのかな?という素朴な疑問も感じてます。知ってる方は「銀馬車」と省略して呼んでまして、茶店にありがちな名前かも(笑)

ちなみに、日本遺産は平成27年春から文化庁が認定しており、現在54ヶ所。東京オリンピック開催の2020年までに国内100ヶ所を認定するとのことです。ちなみに兵庫県内ではこのほか、淡路島立杭焼デカンショ節が認定されています。

日本遺産の特徴とは?

日本遺産の公式サイトを見ると、

「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。
ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を,地域が主体となって総合的に整備・活用し,国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより,地域の活性化を図ることを目的としています。

とあり、有形・無形文化財を整備・活用して地域振興を図るというもの。世界遺産と違って、「活用」にウエイトがあるのが日本遺産の特徴です。しかし、文化庁からの補助金は3年で切れるために、そこからは自立が必要です。

地形地質をベースにして保護保全、教育活用、地域振興を図り、持続可能な地域づくりをするジオパークと感じが似ています。

参加者を見てみれば、自治体などの公的職員を除くと、50代後半以上のシニア層が大半でした。私の横は大学生のようだったので、地域づくりに興味のある学生さんだったのかな?

スタートも自衛隊姫路駐屯地の太鼓演舞からと、お祝いムード一色です。

田辺眞人先生による講演「歴史・文化を活かした地域振興」

ラジオ番組もお持ちの人気講師とあって、会場からは笑い声も多く聞こえました。とにかく具体例を多く示し、分かりやすかったのが印象的でした。

未来について考える時、それまでの生い立ちが重要で、個人は経験が未来に役に立ち、会社はそれまでの業績が参考になります。すなわち、これを歴史といい、発展も改革も「歴史」が大きく影響するとのこと。

町をイメージ、連想させる3つの要素は、

1)自然景観

2)文化の蓄積
→ちなみに文化cultureという意味は、本来は、良いことも悪いことも含めて人間が作ったもの全てを指すので、日本で使われている「アート」要素だけでない。

3)情報発信
→伝えられてないと人々に認知されない。

この後、大事なポイントとして、地域振興の二面性を教えて頂きました。

まず住民が日常的住み続けたいと思うためには、地域学習が必要。だけど、知って利益が上がる実利より、精神的な豊かさ、精神的な利益を求めたい。

それに対し、観光客・関係者(住んでいないけど良く来るなど)に対しては、地域に対して具体的経済的な豊かさをもたらすために情報発信が必要ということでした。

とどのつまりは

観光資源のお宝があっても光らさないと、地域の人々は誇りに思わないし観光客は訪れたいと思わない。

ということでしょう。

先生はこの他に、活性化の一つとして、73kmの一部で馬車を走らせたり、馬車道マラソンやスタンプラリーを開催したり、ここの日本遺産を象徴する焼印をこしらえて御座候に売り付けたり(爆)、姫路駅の駅弁として銀馬車弁当をつくり、構成市町ごとに包み紙などを作り、お客さんに集めてもらって楽しませるなどのアイデアをお話し下さいました。

地元高校生による観光プランのプレゼンではコスプレ?!

地元高校生による観光プレゼンでは、姫路の高校生の他、観光甲子園で全国3位に入った生野高校の「鉱山でのコスプレ撮影バスツアー」も発表され、実際に全但バスがツアーを開催する予定であることも仰ってました。斬新です。

ディスカッションは「地元住民の思いをどう醸成していくか?」

後半は、神戸新聞の方を座長に、奥村弘・神戸大学大学院教授、日本遺産審議会委員の丁野朗先生、桐山徹郎・全但バス社長、玉田恵美・NPO姫路コンベンションサポート理事長、以上5名の方々によるパネルディスカッションでした。

その中で比較的時間が割かれたのは、一番の課題として挙げられた「地元住民の思いをどう醸成していくか?」という問題。あぁ、それはジオパークも同じです。

海外にない文化を組み立てて、文化の背後にある物語(ストーリー)を描いていくと同時に、この地域をどう発展されるかの地域ビジョンを描く必要がある。つまり、遺産は未来への贈り物であり、保持して未来につなげるものですが、そのための体制ができているか?が問われるとのこと。

この日本遺産は近代鉱山の草分けですが、当時の道や鉱山が自分たちの今の暮らしに何かしら繋がっている、つまり自分たちのルーツでもあるという意識が大切で、当然、子供たちへの教育も重要になってきます。

いずれにしろ、遺産は人が作ったものだから、活用することに価値がある。それには多くの人が関わることなのですが、なかなかそううまくいかないもの。

そのために「地域づくりではキーパーソンがそれぞれの地に居るので、そういう方々をまずは巻き込む。住んでいる地域ごとに頑張って頂き、それらを結んで線として展開させる。」などのアイデアがいくつか出されました。

国の支援は3年で終了して、民間へ引き継がれます。そのため、地域振興では許認可面などで、行政が民間に対してサポートする必要があるし、事業を生み出させる体制も重要で、特に広域連携をするならトップが定期的に集まる場が必要だと仰っていました。

日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」の課題とは?

開会の挨拶の中で、この活動を全面バックアップしている神戸新聞社の方は、「認定後、どう命を吹き込むか。街道の価値、繋ぐ宿場町の地域おこしが重要。」と仰ってました。

特にインバウンド向けに兵庫県は兵庫県版ゴールデンルートを設定しており、その1本が姫路から鉱石の道を通り、城崎までのルートとのこと。姫路からいきなり城崎ではなく、途中で何カ所か立ち寄らせたいという「インバウンドは姫路のおこぼれ頂戴」という感じにちょっと違和感を覚えました。この地域では姫路がひとり勝ちしているとはいえ、自分のところに直接来てもらう位の気概が欲しい!

姫路だけ、生野銀山だけ、ではなく、「日本遺産」という資源を使って、地域一丸となってまとまって地域振興策を練っていくことができるのか?

これまでも形を変え、品を変え、播但線ルートはいろいろ仕掛けてきたことでしょうから、日本遺産に市民がどこまで乗ってくるか、ここが手腕の見せ所です。

ジオパークと比べてみての雑感(私感)

まるで7年前に開催された、世界ジオパークの認定シンポジウムを見ているような空気感。

行政側の広域連携の在り方などもすべて、山陰海岸ジオパークが1年半後の再認定獲得までに解決しなければならない課題と同じです。

特に「地元住民の思いをどう醸成していくか?」「地域振興をどう進めていくか?」ってことで、これもジオパークと一緒です。

「何故ここが日本遺産に選ばれたのか」を住民に周知徹底していく必要性は、「何故ここが世界ジオパークに選ばれたのか」を周知徹底してきたのと全く同じです。

私の場合は、2010年にジオパーク推進補助員になってから卒業するまでの3年8ヶ月、集落や老人会、婦人会、商工会、観光協会、学校へと足を運んで出前講座を100回以上行ってきました。

そうしたら、「嫁に来たんなら知らんことも多いだろうから教えてやる」と地域の宝の原石になるような話をたくさん教えて下さっただけでなく、「わしらの地域はそんなにスゴイ地域だったんだ!」と感動してもらえました。

まさに、どぶ板選挙のように地道に出前講座をやっていくことが、周知徹底の秘訣です。また、それ以外にどんな関わりを地域住民に対して持つかなどによっても日本遺産活動の広がり方が違ってくると思います。

くれぐれも注意して欲しいのは、認定がゴールではないということ。ジオパークの場合は4年に一度の再審査があるので、その度に活動や体制をブラッシュアップしなければいけません。

しかし、日本遺産にはそのような数年一度の再認定制度は無いので、このままフェードアウトしていく可能性もあります。もし、フェードアウトさせたくないということであれば、私がジオパークでやってきた活動が役に立つと思います。

課題のすべては「認知度不足」に起因

日本遺産も世界ジオパークも課題の多くは

認知度不足に起因します。今回も日本遺産委員会の丁野先生のFacebook投稿で情報を知りました。同じ県内だし、この銀馬車の事務局は私もお世話になっている但馬県民局内にあるのに、です。

銀馬車スタッフの皆様には、ぜひ、SNSやネット、メディアなどを使って、いろんなところで露出するよう、プロモーションを頑張って欲しいです。

今回のシンポジウムを教えて頂いた丁野先生(写真右端)、ありがとうございました!

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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