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お客様のウォンツはハードリピーターに直接聞く!〜観光プロデュース論1日目④

      2016/09/10

今日も和歌山大学観光学部での観光カリスマ・山田桂一郎さんの講義で印象に残ったスイス・ツェルマット観光局(DMO)の話を中心にお伝えします。

※山田桂一郎さんのご紹介は下記のサイトをご参照下さい。

兵庫県北部・豊岡市で小さな宿と店の集客アドバイザー時々ジオパークガイドの今井ひろこです。当ブログにお越し頂き、ありがとうございます!

スイス・ツェルマットの観光局(DMO)が全宿泊施設の顧客データベースを持っているという話を昨日ブログに書きましたが、その強みの一つはオフシーズン対策だそうです。

オフシーズンの対策に、新規顧客の開拓はできません!

山田さん曰く、

『オフシーズンの対策として「新規顧客開拓」という声も聞くけど、オフシーズンなので基本的に無理な話で、そこに資金や労力を投資しても効果に限りがある。むしろ、リピーター向けです。』

良いリピーター=ハードリピーターがトップシーズンに来ても「おもてなし」はなかなか大変だけど、オフシーズンなら手が空いてるし、お客様の顧客データから、お客様に合った「ツェルマットで楽しめる新たな提案」をしやすいんだそうです。確かに、閑散期にどんだけがんばったとしても、竹田城跡の雲海のようないきなり超絶ヒットの状況が起こらない限り、オンシーズンに並ぶほどの伸びしろは少ないです。

ハードリピーターに要望を聞いてイベントを開催

例えば、ツェルマットは春秋がオフシーズンで、その時は7割が店を閉めているのだそうです。(これは、蟹のシーズンだけ開ける季節民宿が香住に多いのと同じかな?)

でも、開けている店は儲けたいので、夏のオンシーズンのシーズン終わりを少し伸ばすために、秋口に集客イベントを開催するけど、その際に、ツェルマット観光局はハードリピーターの方々に春や秋もどうしたら楽しめるのかを直接聞くとのこと。ツェルマット観光局が全宿から得る顧客データベースを持っていて、誰がハードリピーターか分かるから、そういう調査もできるんですね。

夏と冬は客層が異なるツェルマット。夏に長期滞在する人は、ツェルマットの静かな環境が好きで、音楽イベントの中でクラシックコンサートを提案して下さった。オフシーズンの町の中は静かな環境だから、その雰囲気は壊したくない。かといって、人口5000人ちょっとの町なので、コンベンションホールが無い・・・どうする?

日本の寺院も同じだけど、ツェルマットも山の中腹に20-30人しか入れない小さな教会ならある。そこで、その協会に有名なオペラ歌手を呼んでツアー限定コンサートを開き、そのイベントと三つ星ホテルのスィートルームのセットで販売すると、すぐに売り切れたのだとか。それを一週間行ってオンシーズンの終わりをちょっとでも後に伸ばす工夫をしているそうです。(イベントページを参照下さい)

0629997_09(ツェルマットWebサイトから転載)

また、冬に長期滞在する人は、春先2月までは家族連れも多いけど、3月からは若い人たちが多くなる。その時は同じ音楽イベントでも、山の上のほうでロックなどのコンサートをする。ただし、全てのゲレンデでなく、若いボーダーが集まる山で音楽イベントを行っている。それらはすべて、ハードリピーターに聞いて行っているイベントだそうです。

0684240_08ツェルマット(ツェルマットWebサイトから転載)

マーケットイン!の発想

マーケットインというのは、プロダクトアウトという言葉と一緒に使われることが多いです。マーケットインは「お客様の立場に立ってお客様が求めているものを提供する」こと。逆に、プロダクトアウトは「事業者側の発想で商品を作りお客様に提供する」ことです。(日本総研Webサイト:マーケットインとプロダクトアウトの向こう側 ~二元論を超えて~を参照下さい

例えば、花火大会やカニ場まつりのような日本の観光イベントの多くはプロダクトアウト型。しかし、ツェルマットのイベントは完全にお客様の要望に立った「マーケットイン」の発想です。上記の他にも、登山列車の中でチーズフォンデュを楽しめる特別列車や、夏、秋にご来光を見るための特別列車&ロープウェイを臨時運転させて、ガイドを付けて歩くプランがあるそうですが、ハードリピーターの方に調査して出来た観光プログラムだそうです。

町を訪れたお客様にたくさん食べて、たくさんお土産も買って欲しい。そのためには、もっと時間を使って頂くこと。お金を使って頂くためにも、1分1秒でも長く滞在をのばしてもらう。そのためには「お客様の楽しませ方」が大事ですよね。

お客様の欲しいものって何なのか?今まで来て頂いていた方に、これからももっと来て頂く為に何をしたらいいのか?何をすれば、ここに明確な来る目的になるのか?を調査するのがマーケティング。ツェルマット観光局(DMO)はこの調査にお金をかけているそうです。

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マーケティングして「お客様の楽しませ方」として、地域を魅せる新たな観光商品を開発したとしても、地域住民や事業者の全員が協力してくださらないと、観光商品としては使えない。地域住民総意の協力はどうやって得ているのか? 明日は、ツェルマット観光局(DMO)の基礎となる「地域教育」についてまとめてみます。・・・こうやって書いていると地域教育=ジオパークって思わなくもない・・・! 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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